1ページ はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師 集団指導 厚生労働省四国厚生支局 2ページ 指導の目的 ●通知の理解 「はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費に関する受領委任の取扱い」 ●療養費の受領委任の取扱い及び療養費の請求事務等に関して質的向上及び適正化を図る 3ページ 本日の説明内容 ・〔1〕健康保険制度の概要 ・〔2〕療養費制度の概要 ・〔3〕はり・きゅう及びあん摩マッサージ指圧に係る療養費 ・〔4〕療養費算定基準額 ・〔5〕療養費算定基準額等の改定等 ・〔6〕受領委任の取扱い関係 ・〔7〕指導、監査 4ページ 〔1〕健康保険制度の概要 5ページ 公的医療保険制度の分類 ○被用者保険 全国健康保険協会、健康保険組合、共済組合、船員保険サラリーマンや公務員など雇用されている方が加入 ○地域保険 国民健康保険、後期高齢者医療制度(広域連合)自営業者や会社を退職し年金等で生計を維持されている方が加入 ○その他 生活保護(医療扶助)、障害者総合支援(自立支援医療)、自治体単独の医療給付事業(障害者、乳幼児、ひとり親)公的医療保険制度の分類 6ページ 我が国の医療保険制度の特徴 ○国民皆保険制度 原則として、すべての国民が何らかの公的医療保険制度に加入 ○現物給付制度 保険医療機関で医療行為(現物)を提供するという考え方 ○フリーアクセス 患者自らの意思により、自由に医療機関を選ぶことが可能 7ページ 図 「国民医療費の推移」出典:厚生労働省「令和4(2022)年度国民医療費の概況」 8ページ 〔2〕療養費制度の概要 9ページ 療養費とは? ○療養の給付(現物給付) 被保険者が保険医療機関に対し被保険者証を提示し、一部負担金を支払うことで医療を受けることができるもの ○療養費(現金給付) 被保険者が受けた医療に対して支払った負担について保険者に申請することにより、保険診療の範囲内で受けることができるもの 10ページ 療養費とは? ○療養費の支給要件 ・保険者が、療養の給付、入院時食事療養費・入院時生活療養費の支給または保険外併用療養費の支給が困難であると認めたとき ・保険医療機関及び保険薬局以外の医療機関、薬局及びその他の者から診療や薬剤の支給及び手当を受けたことを保険者がやむを得ないと認めたとき 11ページ 療養費とは? ○療養費の支給要件(具体例) ・保険医療機関等がないかまたは利用できない場合 ・治療用装具 ・柔道整復師による施術 ・はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師による施術 ・生血 ・移送費 12ページ 療養費とは? ○療養費の額の算定 ・はり・きゅう及びあん摩マッサージ指圧の場合 療養費の額は、厚生労働省通知で定められた金額に基づき算定することが受領委任の取扱規程(契約)で定められている。 13ページ 〔3〕はり・きゅう及びあん摩マッサージ指圧に係る療養費 14ページ 療養費の取扱いについて ・療養費の対象となる施術は、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」に反するものであってはならない ・患者が施術者から健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益の提供を受けて、当該施術者を選択し、施術を受けた場合は、療養費の支給の対象外 15ページ 対象となる疾病 ○はり、きゅう 慢性病(慢性的な疼痛を主訴とする疾病)であって医師による適当な治療手段のないもの。具体的には、 ア 神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症 イ ア以外の疾病による同意書又は診断書が提出された場合は、記載内容等から保険者が個別に判断 ウ ア及びイの疾病は、慢性期に至らないものであっても差し支えない ○あん摩マッサージ指圧 筋麻痺、関節拘縮等であって、医療上マッサージを必要とするもの 16ページ 医師の同意 ○はり、きゅう ・当該疾病について現に診察を受けている主治の医師の同意が必要(保険医は、患者から同意書の発行依頼があった場合、患者を診察し、同意書の交付を判断する) ○あん摩マッサージ指圧 ・当該疾病について現に診察を受けている主治の医師の同意が必要(保険医は、患者から同意書の発行依頼があった場合、患者を診察し、同意書の交付を判断する) ・訪問施術料又は往療料を算定する場合は、別途、施術に同意した医師の訪問又は往療に関する同意が必要 17ページ はり・きゅう療養費支給申請上の留意点 ・初検料 1 初検料は、初回の場合にのみ算定できる。 2 患者の疾病が治癒した後、同一月内に新たな同意に基づき新たな疾患に対して施術を行った場合の初検料は算定できる。 3 現に施術継続中に他の疾病につき初回施術を行った場合は、それらの疾病に係る初検料は併せて1回とし、新たな初検料は算定できない。 4 再発の場合は初検料が算定できる。なお、同意書等により適宜判断すること。 5 施術継続中に保険種別に変更があった場合の初検料は、算定できない。 18ページ はり・きゅう療養費支給申請上の留意点 ・施術料、訪問施術料(共通) 1 同意書等の有効期間 同意書又は診断書に記載された加療期間初療又は医師による再同意日から起算して6ヶ月まで。 ※初療又は再同意日が月の15 日以前の場合は当該月の5ヶ月後の月の末日とし、月の16 日以降の場合は当該月の6ヶ月後の月の末日 ※加療期間の記載が無い場合も同様。これを超える場合は、改めて医師の同意が必要 19ページ はり・きゅう療養費支給申請上の留意点 ・施術料、訪問施術料(共通) 2 同一疾病にかかる療養の給付(診察・検査及び療養費同意書交付を除く。)との併用は不可。 3 療養費の支給決定にあたって、必要に応じ申請者に施術者が作成した施術内容のわかる文書の提出を求めるなど、その適正な支給に万全を期すこととされていること。 4 保険医療機関に入院中の患者の施術は、当該保険医療機関に往療した場合、患者が施術所に出向いてきた場合のいずれであっても算定できない。 5 施術料又は訪問施術料(それぞれ初回を含む。)は、疾病の種類、疾病の数及び部位数にかかわらず1日1回に限り算定できる。なお、同日に行われたはり術、きゅう術の施術は、それぞれ1術で算定せず2術とする。 20ページ はり・きゅう療養費支給申請上の留意点 ・施術料、訪問施術料(共通) 6 「特掲診療料の施設基準等」(平成20年厚生労働省告示第63号)第四の四の三の三に規定する地域(以下「特別地域」という。)に居住する患者の患家に赴き、往療料の支給要件を満たして施術を行った場合、特別地域加算として所定額を加算すること。 7 片道16kmを超える往療による施術については、施術所の所在地又は届け出た住所地からの往療を必要とする絶対的な理由がある場合に認められるものだが、かかる理由がなく、患家の希望により16km を超える往療をした場合、施術料は、全額が認められない。   なお、片道16kmを超える往療とは、施術所の所在地又は届け出た住所地と患家の直線距離である。 21ページ はり・きゅう療養費支給申請上の留意点 ・訪問施術料 1 訪問施術料は、歩行困難等、真に安静を必要とするやむを得ない理由等により通所して治療を受けることが困難な場合(往療料の支給が行われる場合を除く。)に、患家の求めに応じて患家に赴き定期的ないし計画的に施術を行った場合に支給できること。 2 訪問施術料は、治療上真に必要があると認められる場合に支給できること。治療上真に必要があると認められない場合、単に患家の求めに応じた場合又は患家の求めによらず定期的ないし計画的に行う場合については、訪問施術料は支給できないこと。 22ページ はり・きゅう療養費支給申請上の留意点 ・訪問施術料 3 訪問施術料は、同一日に同一の建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいい、介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第27項に規定する介護老人福祉施設等の施設を含む。)で施術を行った患者数が1人の場合は訪問施術料1、2人の場合は訪問施術料2、3人以上の場合はその人数に応じた訪問施術料3の各区分により、支給すること。 4 訪問施術料を支給する療養費支給申請書には、施術者に施術内容と併せて訪問施術を行った日及び訪問施術を必要とした理由の記入を受ける取扱いとすること。 5 訪問施術に要した交通費については、患家の負担とすること。 23ページ あん摩マッサージ指圧療養費支給申請上の留意点 ・施術料、訪問施術料(共通) 1 同意書等の有効期間 同意書又は診断書に記載された加療期間 初療又は医師による再同意日から起算して6ヶ月まで。 ※初療又は再同意日が月の15 日以前の場合は当該月の5ヶ月後の月の末日とし、月の16日以降の場合は当該月の6ヶ月後の月の末日 ※変形徒手矯正術については初療又は再同意日から起算して1ヶ月 ※加療期間の記載が無い場合も同様。これを超える場合は、改めて医師の同意が必要。 2 頭から尾頭までの躯幹、右上肢、左上肢、右下肢、左下肢をそれぞれ一単位として算定する。 24ページ あん摩マッサージ指圧療養費支給申請上の留意点 ・施術料、訪問施術料(共通) 3 温罨法は、1回の施術につき加算する。 4 温罨法と併せて電気光線器具を使用した場合の加算は、あん摩、マッサージの業務の範囲内において、低周波、高周波、超音波又は赤外線治療を行った場合に加算する。 5 変形徒手矯正術をマッサージと併施した場合、1肢につき加算する。 ※変形徒手矯正術と温罨法の併施は算定できない。 6 「特掲診療料の施設基準等」(平成20年厚生労働省告示第63号)第四の四の三の三に規定する地域(以下「特別地域」という。)に居住する患者の患家に赴き、往療料の支給要件を満たして施術を行った場合、特別地域加算として所定額を加算すること。 25ページ あん摩マッサージ指圧療養費支給申請上の留意点 ・施術料、訪問施術料(共通) 7 片道16kmを超える往療による施術については、施術所の所在地又は届け出た住所地からの往療を必要とする絶対的な理由がある場合に認められるものだが、かかる理由がなく、患家の希望により16km を超える往療をした場合、施術料は、全額が認められない。   なお、片道16kmを超える往療とは、施術所の所在地又は届け出た住所地と患家の直線距離である。 8 保険医療機関に入院中の患者の施術は、当該保険医療機関に往療した場合、患者が施術所に出向いてきた場合のいずれであっても算定できない。 26ページ あん摩マッサージ指圧療養費支給申請上の留意点 ・訪問施術料 1 訪問施術料は、歩行困難等、真に安静を必要とするやむを得ない理由等により通所して治療を受けることが困難な場合(往療料の支給が行われる場合を除く。)に、患家の求めに応じて患家に赴き定期的ないし計画的に施術を行った場合に支給できること。 2 訪問施術料は、治療上真に必要があると認められる場合に支給できること。治療上真に必要があると認められない場合、単に患家の求めに応じた場合又は患家の求めによらず定期的ないし計画的に行う場合については、訪問施術料は支給できないこと。 27ページ あん摩マッサージ指圧療養費支給申請上の留意点 ・訪問施術料 3 訪問施術料は、同一日に同一の建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいい、介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第27項に規定する介護老人福祉施設等の施設を含む。)で施術を行った患者数が1人の場合は訪問施術料1、2人の場合は訪問施術料2、3人以上の場合はその人数に応じた訪問施術料3の各区分により、支給すること。 4 訪問施術料を支給しようとする場合は、施術の同意をおこなった医師の往療に関する同意が必要であること。   ただし、同意を求めることができないやむを得ない事由がある場合はこの限りでないこと。 28ページ あん摩マッサージ指圧療養費支給申請上の留意点 ・訪問施術料 5 訪問施術料を支給する療養費支給申請書には、施術者に施術内容と併せて訪問施術を行った日及び訪問施術を必要とした理由の記入を受ける取扱いとすること。 6 訪問施術に要した交通費については、患家の負担とすること。 29ページ (共通)療養費支給申請上の留意点 ・往療料 1 往療料は、歩行困難等、真に安静を必要とするやむを得ない理由等が突発的に発生したことにより通所して治療を受けることが困難な場合に、患家の求めに応じて患家に赴き施術を行った場合に算定できる。 2 往療料は、治療上真に必要があると認められる場合に算定できる。治療上真に必要があると認められない場合、又は単に患家の求めに応じた場合については算定できない。 30ページ (共通)療養費支給申請上の留意点 ・往療料 3 往療料は、その突発的に発生した往療を行った日の翌日から起算して14 日以内については、往療料は支給できない。 4 定期的ないし計画的な訪問施術を行っている期間において突発的に発生した往療については、訪問施術料は支給せず、施術料及び往療料を支給する。ただし、当該患者が当該往療の後も引き続き、通所して治療を受けることが困難な状況で、患家の求めに応じて患家に赴き定期的ないし計画的に行う施術については、訪問施術料の支給対象とする。 31ページ (共通)療養費支給申請上の留意点 ・往療料 5 あん摩マッサージ指圧療養費に係る往療料を算定する場合は、別途、施術の同意を行った医師の往療に関する同意が必要。 6 絶対的な理由がある場合に認められるものであるが、かかる理由がなく、患家の希望により16km を超える往療をした場合、往療料の支給は認められない。この場合の往療料は、16km を超えた部分のみではなく全額が認められない。なお、片道16km を超える往療とは、施術所の所在地又は届け出た住所地と患家の直線距離である。 32ページ (共通)療養費支給申請上の留意点 ・往療料 7 往療に要した交通費については、患家が負担する。   往療時に要したバス、タクシー、鉄道、船等の交通費は、その実費とする。自転車、スクーター等の場合は、土地の慣例、当事者間の合議によるべきであるが、通例は交通費に該当しない。 8 往療料を支給する療養費支給申請書には、施術者に施術内容と併せて突発的に発生した往療を行った日の記入を受ける他、「摘要」欄に当該往療を必要とした理由、連携した医師の氏名及び保険医療機関名の記入を受ける取扱いとすること。 33ページ (共通)療養費支給申請上の留意点 ・施術報告書交付料 1 医師の再同意が必要な場合に、施術報告書に施術の内容、施術の頻度(月平均○回実施というように1ヶ月の平均施術回数を明記すること)、患者の状態・経過等を記入し、当該報告書及び直近の診察に基づき医師が再同意を判断する旨を患者に説明したうえで交付した場合に算定できる。なお、一の同意書、診断書による期間の施術については、複数回交付した場合も、算定は1回に限る。また、初療若しくは再同意日の属する月の5ヶ月後(初療若しくは再同意日が月の16日以降の場合は6ヶ月後)の月に交付した場合又は交付した月の前5ヶ月の期間に施術報告書交付料を算定していない場合に限る。 34ページ (共通)療養費支給申請上の留意点 ・施術報告書交付料 ただし、変形徒手矯正術については、初療又は再同意日から起算して1ヶ月の期間の施術について施術報告書を交付した場合に1回に限り算定する。 2 施術者は、やむを得ず、施術報告書を作成しない場合であっても、医師との連携が図られるよう、患者を診察する医師からの施術に関する問合せに応じるべきものである。 35ページ (共通)療養費支給申請上の留意点 ・事務手続き 1 初療の日から1年以上経過している患者であって、かつ、1月間の施術を受けた回数が16 回以上の者は、「1年以上・月16 回以上施術継続理由・状態記入書」に患者の状態の評価と併せて評価日及び月16 回以上の施術が必要な理由を記入し、療養費支給申請書に添付する。 36ページ (共通)療養費支給申請上の留意点 ・事務手続き 2 施術報告書交付料を算定する療養費支給申請書には、施術報告書の写しを添付する。   また、一連の施術において既に施術報告書交付料を算定済みの場合は、直前の当該算定に係る施術の年月を記入する。 37ページ 〔4〕療養費算定基準額 38ページ はり師、きゅう師の施術に係る療養費の算定について ●初検料・1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合1,950円 ・2術(はり、きゅう併用)の場合2,230円 ●施術料 <通所>・1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合1,610円 ・2術(はり、きゅう併用)の場合2,770円 <訪問> ・訪問施術料1※同一日・同一建物で施術を行った患者数が「1人の場合」の患者1人あたり料金 ・1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合3,910円 ・2術(はり、きゅう併用)の場合4,070円 ・訪問施術料2※同一日・同一建物で施術を行った患者数が「2人の場合」の患者1人あたり料金 ・1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合2,760円 ・2術(はり、きゅう併用)の場合2,920円 ・訪問施術料3※同一日・同一建物で施術を行った患者数が「3人以上の場合」の患者1人あたり料金 (3~9人)・1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合2,070円 ・2術(はり、きゅう併用)の場合2,230円 (10人以上)・1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合1,760円 ・2術(はり、きゅう併用)の場合1,920円 ●電療料(施術料の加算)・1回につき100円 ●特別地域加算(施術料の加算)・特別地域に居住する患者への施術1回につき250円加算 ●往療料(突発的な往療)・1回につき2,300円 ●施術報告書交付料480円 39ページ あん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費の算定について ●マッサージ <通所> ・1局所1回につき450円 1局所450円2局所900円3局所1,350円4局所1,800円5局所2,250円 <訪問> ・訪問施術料1※同一日・同一建物で施術を行った患者数が「1人の場合」の患者1人あたり料金 1局所2,750円2局所3,200円3局所3,650円4局所4,100円5局所4,550円 ・訪問施術料2※同一日・同一建物で施術を行った患者数が「2人の場合」の患者1人あたり料金 1局所1,600円2局所2,050円3局所2,500円4局所2,950円5局所3,400円 ・訪問施術料3※同一日・同一建物で施術を行った患者数が「3人以上の場合」の患者1人あたり料金 (3~9人) 1局所910円2局所1,360円3局所1,810円4局所2,260円5局所2,710円 (10人以上) 1局所600円2局所1,050円3局所1,500円4局所1,950円5局所2,400円 ●温罨法(マッサージの加算) 温罨法を併施1回につき180円加算 温罨法を併施+電気光線器具を使用1回につき300円加算 ●変形徒手矯正術(マッサージの加算)1肢1回につき470円加算 ●特別地域加算(施術料の加算)・特別地域に居住する患者への施術1回につき250円加算 ●往療料(突発的な往療)1回につき2,300円 ●施術報告書交付料480円 40ページ 〔5〕療養費算定基準額等の改定等 41ページ あはき療養費の令和6年度料金改定①〔令和6年6月1日施行※〕令和6年4月26日あはき療養費検討専門委員会資料一部改変 ○あはき療養費の改定率+0.26% (診療報酬改定における医科の改定率+0.52%等を踏まえ、政府において決定) 令和6年度料金改定に関する基本的な考え方 ○令和4年度料金改定において引き続き検討とされた課題(往療料の距離加算の廃止、離島・中山間地等の地域に係る加算の創設、往療料の見直し及び訪問施術料の創設、料金包括化の推進、同一日・同一建物への施術等)、現下の物価高騰、他産業や医療・介護分野における賃上げの動向、医療DXへの対応(オンライン資格確認が本年4月より開始、12月より義務化)といった課題に対応していくため、所要の料金体系を整備するとともに、所定の引き上げを実施する。 (1)往療料の距離加算の廃止(※令和6年10月1日施行) ・往療料の距離加算(4㎞超の区分)を廃止し、その場合、当該廃止に伴う財源は、(2)の施術料や離島や中山間地等の地域に係る施術料の 加算等として振り替える。 〔見直しのイメージ(案)〕 現行:往療料2,300円、4㎞超の場合2,550円 ↓ 見直し後:往療料(突発的な往療)1回につき2,300円 (2)離島や中山間地等の地域に係る加算の創設(※令和6年10月1日施行) ・(1)の距離加算(4㎞超の区分)の廃止の影響に配慮し、離島や中山間地等の地域における施術体制を確保し、患者が必要な施術を受けられるようにする観点から、離島や中山間地等の地域に係る施術料の加算(「特別地域加算」)を創設する。 〔見直しのイメージ(案)〕 現行:往療料2,300円、4㎞超の場合2,550円 ↓ 見直し後:施術料特別地域加算1回につき250円 ※距離加算(4㎞超の区分)廃止の影響に配慮し、250円(上限)として設定し、改定による影響を事後的に検証することとしてはどうか。 ※該当地域(訪問看護療養費における「特別地域訪問看護加算」の対象地域)に施術所の所在地(出張のみの施術者の場合は届け出た住所地)がある場合、及び特別地域外に施術所の所在地がある施術者が、特別地域加算(仮)の対象地域に居住する患者に対して訪問を行った場合 ※患者が施術所へ通所により施術を受けた場合は加算の対象としない。 ※片道16㎞を超える訪問は原則、加算の対象としない。(ただし、現行同様、訪問を必要とする絶対的な理由がある場合には認める。) 42ページ あはき療養費の令和6年度料金改定②〔令和6年6月1日施行※〕令和6年4月26日あはき療養費検討専門委員会資料一部改変 (3)往療料の見直し及び訪問施術料の創設(※令和6年10月1日施行) ・往療料を見直し、定期的ないし計画的な往療により施術を行う場合は、患家への訪問として区分整理したうえで、施術料と訪問に係る往療料を包括した訪問施術料として訪問施術制度を導入する。 (4)料金包括化の推進(※令和6年10月1日施行) ・(3)の訪問施術制度の導入により、施術料と訪問に係る往療料を包括した訪問施術料として新たな料金体系を構築する。 (5)同一日・同一建物への施術(※令和6年10月1日施行) ・同一日・同一建物での施術の場合の料金の在り方について、(3)の訪問施術料は、定期的ないし計画的に行う施術である性質に鑑み、同一日・同一建物への施術でも、往療に係る負担が1人の患者に寄らないものとして、往療料を含めた、1人あたりの料金として設定する。 ・(3)~(5)により、新たな料金体系として、施術料と訪問に係る往療料を包括した1人あたりの料金を訪問施術料1、2、3として設定する。 また、訪問施術料3は、(3人~9人)の場合と、(10人以上)の場合に区分して設定する。 (6)物価高騰等への対応 ・料金改定は、現下の物価高騰や他産業における賃上げの状況、診療報酬改定における賃上げへの対応、医療DXの推進等の観点を踏まえ、上記(1)~(5)の制度改正について財政中立による水準を設定(単価の見直し等)し、その後、財源の範囲内で料金改定を行う。 ・物価高騰への具体的な対応として、あん摩マッサージ指圧におけるホットパック等を使った温罨法、はり・きゅうにおける電気針、電気温灸器又は電気光線器具を使った場合の電療料については、電気光線器具等を使用した施術という性格上、物価高騰による光熱費等の値上がりによる影響を受けやすい点を踏まえ、財政中立による水準設定(単価の見直し等)及び改定財源の範囲で引き上げる。 ・また、現下の他産業における賃上げ、診療報酬改定における賃上げへの対応や、本年4月よりオンライン資格確認が開始され、同年12月からは義務化されることを踏まえ、医療DXの推進といった観点から、財政中立による水準設定(単価の見直し等)及び改定財源の範囲であん摩マッサージ指圧における施術料や、はり・きゅうにおける初検料及び施術料を引き上げる。 ※(1)~(6)による料金改定イメージは44・45ページ 43ページ あはき療養費の令和6年度料金改定③〔令和6年6月1日施行〕令和6年4月26日あはき療養費検討専門委員会資料一部改変 (7)その他の見直し ・訪問施術制度の導入に伴い、往療内訳表の見直し(廃止)を行う。具体的には、支給申請書の見直しに合わせて、現在の往療内訳表の記載内容を支給申請書に反映することで、支給申請書1枚で往療内訳表の内容を踏まえた審査ができるようにする。(※令和6年10月1日施行) ・施術管理者の登録を更新制とし、更新の際に研修受講を課す仕組みの検討については、受領委任制度の導入により、柔道整復師と同様に定期的に地方厚生(支)局並びに都道府県知事による集団指導及び個別指導、監査が行われる仕組みとされていることから、施術管理者の登録の更新制は導入しないこととし、施術者の資質向上や制度運営上の取扱いについては、従来どおり、各施術団体等が各々で実施するものとする。 (8)引き続きの検討事項 ・請求の電子化や審査のシステム化などの効率的・効果的な審査体制の検討について、柔道整復療養費に関するオンライン請求の導入に関する検討状況も参考にしつつ、令和6年度にオンライン請求の導入に向けた課題の検討を開始する。その際、例えば、あはき施術所が視覚障害者の就労の場としても重要な位置づけとなっていること等、あはき療養費の実情を踏まえた実態を把握するための調査を実施した上で、課題の整理と検討を開始する。 ・料金体系の見直しによる訪問施術制度の導入に伴い、通所または訪問による施術動向、制度変更の影響を把握する必要があることから、令和6年、7年の療養費頻度調査による集計項目等の見直しに加え、施術所に対する調査を別途行うことにより、同一日・同一建物への施術、出張専門施術所における訪問施術の実態等を把握するとともに、訪問施術制度の導入による変化(通所または訪問による施術部位数)等のデータ集計・分析を行う。 ・温罨法・電療料、施術料・初検料の引き上げを踏まえ、施術所における賃上げの状況、給与費、光熱水費等を初めとする費用の動向等について、令和8年度料金改定の議論に向けて、調査方法等を検討した上で、実態を把握する。 ・施術部位数による料金包括化については、令和6年度料金改定の議論において、以下のような議論、意見があったことを踏まえ、引き続き検討を行う。 ・平均的な部位数で包括化した場合、例えば、3部位以下の被保険者(約2割程度存在)にとっては負担増になる点をどう考えるか。 ・単純に施術部位数の包括化だけでは、粗療・回数の増加に繋がる可能性がないか。 ・仮に施術部位数がブラックボックス化すると、審査に支障、審査の質の低下に繋がるのではないか。ただし、医師の同意書を必要とする現行の取扱いが変わらなければ、そうした懸念は当たらないのではないか。 ・同じマッサージでも、同意対象となった傷病によって施術部位数が大きく異なるのではないか。 44ページ あはき療養費の料金改定について(令和6年6月~※)《はり・きゅう》令和6年4月26日あはき療養費検討専門委員会資料一部改変 ※訪問施術料、特別地域加算、往療料の見直しについては、患者等への周知期間や保険者、施術管理者及び厚生局の届出準備期間等を踏まえ、令和6年10月1日施行とする。 ○はり・きゅう 初回 ○初検料 ①1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合1,780円→1,950円(+170円) ②2術(はり、きゅう併用)の場合1,860円→2,230円(+370円) ○施術料 《通所》 ①1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合1回につき1,550円→1,610円(+60円) ②2術(はり、きゅう併用)の場合1回につき1,610円→1,770円(+160円) 《訪問》※新設(令和6年10月1日施行) 訪問施術料1※同一日・同一建物で施術を行った患者数が「1人の場合」の患者1人あたり料金 ①1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合1回につき3,910円②2術(はり、きゅう併用)の場合1回につき4,070円 訪問施術料2※同一日・同一建物で施術を行った患者数が「2人の場合」の患者1人あたり料金 ①1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合1回につき2,760円②2術(はり、きゅう併用)の場合1回につき2,920円 訪問施術料3※同一日・同一建物で施術を行った患者数が「3人以上の場合」の患者1人あたり料金 (3人~9人)①1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合1回につき2,070円②2術(はり、きゅう併用)の場合1回につき2,230円 (10人以上)①1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合1回につき1,760円②2術(はり、きゅう併用)の場合1回につき1,920円 ○電療料(施術料の加算) ・電気針、電気温灸器又は電気光線器具を使用した場合 1回につき34円加算→100円(+66円) ○特別地域加算(施術料の加算)※新設(令和6年10月1日施行) ※対象は、訪問看護療養費における「特別地域訪問看護加算」の地域。離島や中山間地等の地域における施術体制を確保し、患者が必要な施術を受けられるようにする。 ・特別地域に居住する患者への施術1回につき250円加算 ○往療料(突発的な往療)※4㎞超加算の廃止訪問施術料の算定は不可(令和6年10月1日施行) 1回につき2,300円 ○施術報告書交付料 480円 45ページ あはき療養費の料金改定について(令和6年6月~※)《あん摩マッサージ指圧》令和6年4月26日あはき療養費検討専門委員会資料一部改変 ※訪問施術料、特別地域加算、往療料の見直しについては、患者等への周知期間や保険者、施術管理者及び厚生局の届出準備期間等を踏まえ、令和6年10月1日施行とする。 ○あん摩マッサージ指圧 ○マッサージ※対象は、最大5部位:局所の単位(頭から尾頭までの躯幹、右上肢、左上肢、右下肢、左下肢) 《通所》1局所につき350円→450円(+100円) 1局所450円(+100円)2局所900円(+200円)3局所1,350円(+300円)4局所1,800円(+400円)5局所2,250円(+500円) 《訪問》※新設(令和6年10月1日施行)通所困難、患家からの求め、医師による往療や部位ごとに施術の必要性の同意に基づき訪問施術を行った場合 訪問施術料1※同一日・同一建物で施術を行った患者数が「1人の場合」の患者1人あたり料金 1局所2,750円2局所3,200円3局所3,650円4局所4,100円5局所4,550円 訪問施術料2※同一日・同一建物で施術を行った患者数が「2人の場合」の患者1人あたり料金 1局所1,600円2局所2,050円3局所2,500円4局所2,950円5局所3,400円 訪問施術料3※同一日・同一建物で施術を行った患者数が「3人以上の場合」の患者1人あたり料金 (3人~9人)1局所910円2局所1,360円3局所1,810円4局所2,260円5局所2,710円 (10人以上)1局所600円2局所1,050円3局所1,500円4局所1,950円5局所2,400円 ○温罨法(マッサージの加算) ・温罨法を併施1回につき125円加算→180円(+55円) ・温罨法を併施+電気光線器具使用1回につき160円加算→300円(+140円) ○変形徒手矯正術(マッサージの加算)※対象は、6大関節:左右上肢(肩、肘、手関節)、左右下肢(股、膝、足関節) 1肢1回につき450円加算→470円加算(+20円) ○特別地域加算(施術料の加算)※新設(令和6年10月1日施行) ※対象は、訪問看護療養費における「特別地域訪問看護加算」の地域。離島や中山間地等の地域における施術体制を確保し、患者が必要な施術を受けられるようにする。 ・特別地域に居住する患者への施術1回につき250円加算 ○往療料(突発的な往療)※4㎞超加算の廃止訪問施術料の算定は不可(令和6年10月1日施行) 1回につき2,300円 ○施術報告書交付料 480円 46ページ 〔6〕受領委任の取扱い関係 47ページ 図 あはき療養費に係る療養費の支払いについて受領委任の場合と償還払いの場合の図 48ページ 療養費の受領委任 ○はり・きゅう及びあん摩マッサージ指圧に係る療養費については、受領委任の制度により、実質的に療養の給付と同様の取扱いとなります。 療養費(現金給付、原則) ①被保険者(被扶養者を含む)が、施術に要した費用 (10割)を施術管理者に支払う ②被保険者が、療養費を保険者へ請求する ③保険者が、被保険者へ療養費を支払う 療養費(受領委任) ①被保険者が、施術に要した費用の一部負担金相当額を施術管理者に支払い、施術管理者に対し療養費の受領を委任する ②施術管理者が、保険者へ療養費を請求する ③保険者が、施術管理者へ療養費を支払う 49ページ 受領委任の取扱規程 ・受領委任の留意点 ○受領委任の取扱いを希望する施術管理者である施術者は、「受領委任の取扱い」に定める事項を遵守することについて確約しなければならない。  また、確約を行った施術管理者は、施術所において勤務する他の施術者から保険施術の取扱いに定める事項を遵守し、受領委任の取扱いに係る施術並びに指導・監査の適用を受けることについて同意を受け、当該施術所及び勤務する施術者に関する事項について申し出ること。  以上により承諾がなされることになる。  なお、申し出のない施術者が行った施術については、受領委任の取扱いができない。 50ページ 受領委任の取扱規程 受領委任の取扱いは、取扱規程を遵守することを確約し、各厚生(支)局長、各都道府県知事と施術管理者本人が契約を締結します。 開設者との契約の締結ではありません。 不正、不当な請求があった場合等の責任は、施術管理者及び施術所の開設者が負います。 51ページ 受領委任の取扱規程 ・取扱規程第1章6(受領委任の施術所及び施術管理者) 施術管理者は、自ら又は当該施術所に勤務する他の施術者が行う施術を含め、当該施術所における受領委任に係る取扱い全般を管理する者であることから、同一人が複数の施術所の施術管理者となることは原則として認められないものであること。例外的に複数の施術所の施術管理者となる場合は、取扱規程第1章10(受領委任の申出)によること。 52ページ 受領委任の取扱規程 ・取扱規程第1章10(受領委任の申出) (抜粋) 施術管理者について、例外的に複数の施術所の施術管理者となる場合は、各施術所間の距離等を勘案のうえ、様式第2号の3による勤務形態確認票により各施術所における管理を行う日(曜日)及び時間を明確にさせる必要があること。 53ページ 受領委任の取扱規程 ・取扱規程第3章20(領収証及び明細書の交付) 施術管理者は、患者から一部負担金の支払を受けるときは、正当な理由がない限り、領収証を無償で交付するとともに、患者から求められたときは、当該一部負担金の計算の基礎となった項目ごとに記載した様式第5号による一部負担金明細書(1日分)又は様式第5号の2による一部負担金明細書(1月分)を交付すること。 54ページ 受領委任の取扱規程 ・取扱規程第3章21(施術録の記載等) 開設者及び施術管理者は、受領委任に係る施術に関する施術録をその他の施術録と区別して整理し、施術管理者及び勤務する施術者が患者に施術を行った場合は、当該施術に関し、必要な事項を受領委任に係る施術に関する施術録に遅滞なく記載させるとともに、施術が完結した日から5年間保存すること。また、開設者及び施術管理者は、当該患者に係るすべての同意書等の写し(紙での出力が可能な電子的記録によるものを含む。)を上記の施術録の保存と合わせて施術が完結した日から5年間保存すること。 55ページ 受領委任の取扱規程 ・取扱規程第3章23(施術の方針) ①説明義務 施術に当たっては、懇切丁寧を旨とし、患者の療養上必要な事項は理解しやすいように指導すること。また、療養費の支給対象等、療養費を請求する上での注意事項について説明をすること。 ②過剰な施術の禁止 施術は療養上必要な範囲及び限度で行うものとし、とりわけ、長期又は過度な施術とならないよう努めること。 56ページ 受領委任の取扱規程 ・取扱規程第3章23(施術の方針) ③適切な判断による医師への受診 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律等の関係法令及び通達等に照らして医師の診療を受けさせることが適当であると判断される場合は、医師の診療を受けさせること。 57ページ 受領委任の取扱規程 ・取扱規程第9章44(保険者の行う通知・確認) 保険者が、施術の必要性について個々の患者ごとに確認する必要があると合理的に認めた場合については、保険者は、次に掲げる項目を通知及び確認することにより当該患者の施術について償還払いに戻すことができること。 1.施行日(令和3年7月1日)以降において、初療日から2年以上施術が実施されており、かつ直近の2年のうち5ヶ月以上月16 回以上の施術が実施されている患者について、施術回数が頻回であり、標準的な施術回数等から勘案して、施術効果を超えた過度・頻回な施術である可能性がある旨を事前に施術管理者及び患者に対して通知する。(以下「長期・頻回警告通知」という。) 58ページ 受領委任の取扱規程 ・取扱規程第9章44(保険者の行う通知・確認) 2.1に該当する患者について、長期・頻回警告通知が到着した月の翌月以降に、更に月16 回以上の施術が行われた場合には、「1年以上・月16 回以上施術継続理由・状態記入書(はり・きゅう用)」又は「1年以上・月16 回以上施術継続理由・状態記入書(マッサージ用)」を確認し、併せて施術管理者から提出させた「頻回な施術を必要とした詳細な理由及び今後の施術計画書」を確認する。 3.上記の項目を確認した結果、施術効果を超えた過度・頻回な施術が疑われる場合は、施術管理者及び患者に対して償還払いに変更する旨を通知する(以下「償還払い変更通知」という。)。 59ページ 受領委任の取扱規程 ・取扱規程第9章45(施術管理者の対応) 施術管理者は、44 により保険者から通知を受けた場合に、当該患者の施術に係る療養費の請求について、次に掲げる対応を行うこと。 1.長期・頻回警告通知が到着した月の翌月以降に、更に月16回以上の施術を行う場合には療養費支給申請書の提出の際に「頻回な施術を必要とした詳細な理由及び今後の施術計画書」を添付すること。 2.償還払い変更通知が到着した月の翌月以降の施術分については、受領委任払いの取扱いを中止すること。 60ページ 受領委任の取扱規定 ・取扱規程第9章46(受領委任払いの取扱いの再開) 1.保険者は、必要に応じて同意を受けた主治の医師や施術管理者等に確認のうえ、療養上必要な範囲及び限度を超えた過度な施術でないことが判断できた場合には、償還払いから受領委任払いへの取扱いに戻すことが可能であること。また、その場合には、保険者は、事前に当該患者に対して通知する(以下「受領委任払い再開通知」という。)こと。 2.保険者から受領委任払い再開通知を受けた患者が、当該通知を施術管理者に示すことにより、施術管理者は次回請求分(通知年月日の翌月の施術に係る請求分)から受領委任払いの取扱いを再開できること。 61ページ 申出が必要となる事項(例) ・施術所が移転となった場合 ・施術所名称が変更となった場合 ・施術所を廃止する場合 ・新たに施術者を雇用する(が勤務する)場合 ・雇用している(勤務している)施術者が退職する場合 ・受領委任の取扱いを辞退する場合など 注)承諾施術所が移転となった場合には、改めて「確約及び受領委任の申出」の手続きが必要となります。 ※申出に必要な用紙は各厚生(支)局公式ウェブページに掲載中です。 62ページ 今一度ご確認願います! ・療養費関係等の厚生労働省から発出される各種通知等は厚生労働省ウェブページでも確認できます。 ※ウェブページアドレス (https://www.mhlw.go.jp/) 厚生労働省ウェブページ⇒政策について⇒分野別の政策一覧⇒健康・医療⇒医療保険⇒施策情報(その他制度内容関連)⇒療養費について ○「受領委任の取扱規程」に基づき施術を行ってください。 63ページ 〔7〕指導、監査 64ページ 療養費に関する指導、監査について 厚生(支)局及び都道府県は、「受領委任の取扱規程」及び「指導監査要綱」に基づき、施術管理者(当該施術者が所属する施術所の開設者及び施術所に勤務する他の施術者を含む。)に対して、指導又は監査を行います。 【通知】 ・平成30年6月12日付保発0612第2号「はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費に関する受領委任の取扱いについて」 ・平成30年6月12日付保発0612第4号「はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費に関する指導及び監査について」 65ページ 集団指導について ●指導対象 ・概ね1年以内に受領委任の取扱いを承諾した施術管理者 ・受領委任の規程等の内容を遵守させる必要があると認められる施術管理者 ●指導方法 ・講習会等の形式 ・療養費制度の概要、受領委任の規程並びにはり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る算定基準等について指導する 66ページ 個別指導について ●指導対象 ①受領委任の規程等に違反しているものと認められる施術管理者 ②審査会、保険者又は患者等からの情報に基づき指導が必要と認められる施術管理者 ③個別指導後の措置が経過観察となり、経過観察の結果、改善が認められない又は改善状況の確認が必要と認められる施術管理者 67ページ 個別指導について ●指導対象 ④審査会又は保険者等から、不正又は著しい不当の事実が認められた請求として、客観的な証拠があるものが複数患者分ある、あるいは、患者調査等の結果、不正請求の疑いが強いものが複数患者分あるとの情報提供があった施術管理者 (優先的に選定する。) ※「不正」とは、いわゆる詐欺、不法行為に当たるようなものをいい、「不当」とは算定要件を満たさないものをいう。 68ページ 個別指導について ●指導方法 ・面接懇談方式 ・療養費の支給申請書等の関係書類を検査した上で、個々の事例に応じて必要な事項について指導する 69ページ 個別指導について ●措置 ・経過観察 療養費の請求内容等が妥当適切でないが、その程度が軽微である場合又は以後改善が期待できる場合 なお、経過観察の結果、改善が認められない場合又は改善状況の確認を要する場合は、施術管理者等に対して指導を行う。 ・要監査 療養費の請求内容等が著しく妥当適切でない場合 70ページ 個別指導について ○個別指導の対象となる主なケース ・保険者、被保険者等から施術内容又は療養費請求に関する情報提供があった場合 (事例) ◇患者等からの情報提供 (医療費通知、施術内容への疑義等) ◇事務職員等からの内部告発 71ページ 医療費通知について 国民健康保険など各医療保険において、被保険者に健康に対する認識を深めてもらうことを目的として、保険者から医療費通知が送付されています。 【記載されている事項】 ・施術年月・施術を受けた患者名 ・施術所の名称 ・施術日数 ・療養費の金額(一部負担金を含む) など 72ページ 医療費通知について 医療費通知が端緒となって、付増請求、架空請求などの不正請求が明るみになるケースがあります。 ⇒ルールを守り、適切な請求をすること! ⇒持続可能な医療保険制度を守ることにつながります。 73ページ 一部負担金の減免又は超過して徴収はできません! ⇒一部負担金の減免又は超過して徴収した場合は、受領委任の取扱規程違反となる。 (第3章19療養費の算定、一部負担金の受領等) 施術管理者は、療養費に係る施術に要する費用について、算定基準により算定した額を保険者等に請求するとともに、患者から健康保険法、船員保険法、国民健康保険法及び高齢者医療確保法その他の関係法令に定める一部負担金に相当する金額の支払を受けるものとすること。 なお、患者から支払を受ける当該療養費に係る一部負担金については、これを減免又は超過して徴収しないこと。 また、請求に当たって他の療法に係る費用を請求しないこと。 74ページ 監査について ●監査対象 ・療養費の請求内容が不正又は著しい不当なものであるとの疑義を認める場合 ・個別指導後の措置が監査の場合又は施術管理者等が正当な理由がなく個別指導を拒否した場合 ・審査会又は保険者等から、不正又は著しい不当の事実が認められた請求として、客観的な証拠があるものが複数患者分の情報提供があり、証拠がそろっている場合監査について 75ページ 監査について ●監査方法 ・療養費の請求内容等が不正又は著しく不当なものであるとの疑義を認める事例について、その事実関係の有無を確認するとともに、その他、療養費の請求内容等が妥当適切であるかについて、申請書等の関係書類を検査する。 76ページ 監査について ●措置 療養費の請求内容等に不正又は著しい不当の事実が認められた場合は、受領委任の取扱いを中止する。 なお、受領委任の取扱いの中止は、次の基準によって行う。 ・故意に不正又は著しい不当な療養費の請求を行ったもの ・重大な過失により、不正又は著しい不当な療養費の請求をしばしば行ったもの 77ページ 監査対象とは(例) ・施術を行っていない日に施術を行ったものとして療養費の請求を行っている疑いがあるもの(架空請求) ・施術を行っていない部位を付増して療養費の請求を行っている疑いがあるもの(付増請求) ・実際に行った施術内容を施術料金の高い他の施術内容に振り替えて請求を行っている疑いがあるもの(振替請求) 78ページ 監査対象とは(例) ・自費で施術したものを保険での施術扱いにして療養費の請求を行っている疑いがあるもの(二重請求) ・はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師以外の従事者が施術を行っている疑いがあるもの(無資格) ・施術管理者の出勤の実態がない疑いがあるもの(名義貸し) ・施術録に施術内容の記載がなく、不正又は著しい不当が疑われるもの 79ページ 監査対象とは(例) ・刑事事件等となっており、調査の結果、不正又は著しい不当が疑われるもの ・新聞報道等があり、調査の結果、不正又は著しい不当が疑われるもの ・保険者・被保険者等から情報が寄せられ、調査の結果、不正又は著しい不当が疑われるもの ・個別指導の結果、療養費の請求内容が著しく妥当適切でないもの ・正当な理由がなく個別指導を拒否したもの 80ページ 監査の結果受領委任の取扱いの中止となった場合 ・不正又は著しい不当の事実が認められた場合は、受領委任の取扱いが中止され、原則として中止後5年間は受領委任の取扱いができない ・不正・不当に請求した療養費は、保険者へ返還することとなる ・受領委任の取扱いの中止を行ったものは、報道機関に公表される ・行政処分の対象となる(免許の取消、停止) ・刑事告発の対象となる等 81ページ 令和3年1月から、 はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費の受領委任を取扱う「施術管理者」の申出の際は、実務経験と研修の受講が要件となります。 ○はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費の受領委任の取扱いを管理する「施術管理者」になるための要件について、これまでは原則施術者の資格のみとされていましたが、令和3年1月から新たに、資格取得後の「実務経験」と「研修の受講」が加えられます。 ○実施開始日(令和3年1月1日)より前において、既に受領委任の承諾を受けている施術管理者が実施開始日以降受領委任の取扱いを継続して行う場合は、実務経験・研修修了に関する書類を提出する必要はありません。 82ページ 【実務経験】 ・施術者の資格取得後の期間とし、はり、きゅう又はあん摩マッサージ指圧でそれぞれ1年間必要。 ・実務経験の期間の証明は「実務経験期間証明書」による。 なお、施術所が受領委任の取扱いを承諾されていない場合は、開設者が保健所に届け出た施術所開設(変更)届の副本の写しを添付する。 ・「実務経験期間証明書」は、申出者が施術所で経験者と勤務した期間について、申出者が実務に従事した施術所の開設者又は施術管理者が証明する。 ・実務経験の期間を証明する施術所の開設者又は施術管理者は、施術所に勤務を希望する申出者に対し、不利益な取扱い(例えば証明する代わりに施術者に無償で勤務させる等)を行わないこと。 83ページ 【研修について】 ・登録を受けた研修機関において、16時間以上、2日間以上の研修を受講する必要がある。 ・研修の対象者は「あんまマッサージ指圧師免許証、はり師免許証又はきゅう師免許証」等の交付を受けたものとする。 ・研修機関において、発行される「研修修了証」有効期間は5年間。 【虚偽又は不正に基づく証明書の発行が判明した場合】 ・申出者が受領委任の取扱いの承諾を受けた後において、虚偽又は不正に基づく「実務経験期間証明書」の発行が判明した場合又は「研修修了証」の交付が取り消された場合、当該証明書又は修了証に基づく承諾は無効である。 ・この場合、地方厚生(支)局長及び都道府県知事は、必要に応じて受領委任の取扱いの中止相当の措置を行い、措置後5年間、受領委任の取扱いを承諾しないことができる。 84ページ 【参考】 ○関連通知 ・はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給について(令和6年5月31日付保発0531第1号) ・はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給の留意事項等について(平成16年10月1日付保医発第1001002号) ・「はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給の留意事項等について」の一部改正について(令和6年5月31日付保医発0531第7号) 85ページ 【参考】 ○関連通知 ・はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費に関する受領委任の取扱いについて(平成30年6月12日付保発0612第2号) ・はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費に関する受領委任の取扱いについての一部改正について(令和6年5月31日付保発0531第2号) ・はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費の受領委任を取り扱う施術管理者の要件について(令和2年3月4日付保発0304第1号) 86ページ 【参考】 ○関連通知 ・はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費の受領委任を取り扱う施術管理者の要件の特例について(令和2年3月4日付保発0304第2号) ・はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費の受領委任を取り扱う施術管理者の要件に係る令和3年度から令和7年度までの特例について(令和3年2月10日付保発0210第1号) ・はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費に関する指導及び監査について(平成30年6月12日付保発0612第4号) 87ページ 【参考】 ○疑義解釈資料 ・はり、きゅう及びあん摩・マッサージの施術に係る療養費の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(平成30年10月1日事務連絡)(平成30年12月27日事務連絡(令和2年3月4日訂正事務連絡)) ・「はり、きゅう及びあん摩・マッサージの施術に係る療養費の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について」の一部改正について(令和4年5月31日、6月29日事務連絡)