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更新日:2022年9月5日

地域包括ケアシステムに関するよくある質問Q&A

Q1.地域包括ケアシステムとはどのようなものでしょうか

A1.
我が国の高齢化は世界に類を見ないスピードで進展し、高齢者人口が急激に増加しました。このような社会の変化への対応として、団塊の世代が75歳以上となる2025(令和7)年を見据えて、その構築を目指しているのが地域包括ケアシステムです。

地域包括ケアシステムの定義は、2013(平成25)年12月に成立した「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」第4条第4項に、「地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制」と規定されています。

これをより簡略化しますと、「医療、介護、介護予防、住まい及び生活支援が包括的に提供されるネットワークを作る」ということになります。

医療、介護、介護予防、住まい及び生活支援の5つの要素のそれぞれを充実させるとともに、それらをネットワークとして、相互に関係し連携し合いながら、一体的に提供していくことが必要です。

さらに、高齢化の状況は地域によって異なるため、それぞれの地域で目指すべき地域包括ケアシステムの姿も変わってきますが、地域の資源を活用しながら、住民を含め地域における多様な主体の連携による「地域づくり」を通して、地域の特性を踏まえた支え合いのネットワークが構築されていくことが重要です。

なお、地域包括ケアシステムの詳細及びシステム構築に向けた各自治体の取組事例等については、下記の厚生労働省ホームページをご参照ください。

地域包括ケアシステムについて(厚生労働省ホームページ)

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Q2.なぜ、地域包括ケアシステムが必要なのでしょうか

A2.
75歳以上の高齢者は要介護認定率や認知症の発生率が高く、医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ高齢者の増加が見込まれています。また、高齢者の一人暮らしや夫婦のみの世帯、認知症高齢者等の増加に伴い、高齢者が地域での生活を継続するための多様な生活支援ニーズが高まることも見込まれています。

さらに、大都市部と、町村部等で、高齢化の状況には大きな地域差が生じています。

社会構造の変化や高齢者のニーズ等に対応するには、高齢者が重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療、介護、介護予防、住まい及び生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムを地域の主体性に基づき、地域の特性に応じて構築することが重要です。

 

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Q3.地域包括ケアシステムの構築に向けて、主にどのような施策が行われているのでしょうか

A3.
地域包括ケアシステムの構築に向けて、主に次のような施策が行われています。 


介護予防・日常生活支援総合事業の充実

介護保険の予防給付のうち、訪問介護と通所介護については、高齢者の様々な生活支援や社会参加のニーズに応えていくため、NPOや民間企業、協同組合、ボランティア等の多様な主体による柔軟な取組みにより効果的・効率的なサービスが提供できるように、市町村が実施主体となる介護保険制度に基づく地域支援事業の「介護予防・日常生活支援総合事業」に、2017(平成29)年4月までに移行しました。

「保険給付」から「市町村(保険者)の事業」に移行したことにより、既存の介護事業所によるサービスに加えて、多様なサービスが多様な主体により提供され、利用者がこれらのサービスの中から選択できるようになりました。また、介護予防の推進を一層図るため、居場所づくりなど高齢者の環境づくりを構築する取組みが強化されたほか、リハビリテーションに関わる専門職等も関与した自立支援の推進を図っています。

なお、介護予防・日常生活支援総合事業の詳細については、下記の厚生労働省ホームページをご参照ください。

介護予防・日常生活支援総合事業について(厚生労働省ホームページ) 


●在宅医療・介護連携の推進
市町村が実施主体となる介護保険制度に基づく地域支援事業の「包括的支援事業に、在宅医療・介護連携を推進する事業が制度的に位置づけられ、以下の 事業を実施することとされています。(ただし、2(エ)及び(カ)については、地域の実情を踏まえた柔軟な実施が可能)

1 現状分析・課題抽出・施策立案
(ア) 地域の医療・介護の資源の把握
(イ) 在宅医療・介護連携の課題の抽出
(ウ) 切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進
2 対応策の実施
 (エ) 医療・介護関係者の情報共有の支援
(オ) 在宅医療・介護関係者に関する相談支援
(カ) 医療・介護関係者の研修
(キ)地域住民への普及啓発
3 対応策の評価・改善
 
なお、在宅医療・介護連携の詳細については、下記の厚生労働省ホームページをご参照ください。
医療と介護の一体的な改革について(厚生労働省ホームページ)
 


●認知症施策の推進

令和元年6月に、認知症施策推進関係閣僚会議において「認知症施策推進大綱」がとりまとめられました。
認知症は誰もがなり得るものであり、家族や身近な人が認知症になることを含め、多くの人にとって身近なものとなっています。認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の人や家族の視点を重視しながら、「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進しています。
 ※「予防」とは、「認知症にならない」という意味ではなく、「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を遅らせる」という意味です。
こうした基本的な考え方の下
1 普及啓発・本人発信支援
2 予防
3 医療・ケア・介護サービス・介護者への支援
4 認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援
5 研究開発・産業促進・国際展開
の5つの柱に沿って施策を推進し、その際、これらの施策は全ての認知症の人の視点に立って、認知症の人やその家族の意見を踏まえて推進することが基本とされています。
なお、認知症施策の詳細については、下記の厚生労働省ホームページをご参照ください。
認知症施策について(厚生労働省ホームページ)