中国四国厚生局 > 中国四国厚生局について > せんだん通信-中国四国厚生局だより- > せんだん通信 -中国四国厚生局だより 平成23年12月号(平成23年12月19日発行)
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更新日:2017年11月16日
【目次】
健康福祉部長 菱川 隆夫
今年4月の人事異動により、広島に赴任し、早いもので既に9ヶ月が過ぎようとしています。
地方厚生局(7局1支局1支所)は、中央省庁の再編を契機として平成13年1月に発足し、私自身は発足当時に厚生局を1度経験しており、今回で2回目となります。
当時を振り返りますと、発足後まもなく、事業者の方々からは各種許認可のためにわざわざ東京まで出向かず、それぞれのブロックの中心都市という比較的近いところで相談や申請などが気軽にでき、大幅に利便性がよくなり、また、許認可などの処理期間も飛躍的に早くなったと評価され、喜んでいただいたという懐かしい記憶が蘇ってきます。
中国四国厚生局の所掌する分野は、保健、福祉、医療、食品衛生、年金などといった国民生活に密着した非常に幅広い業務を行っており、それだけに国民の関心も大きく私たちの責任も大きいと認識しています。
最近、厚生労働行政、とりわけ厚生行政については、業務を行っていく上で自治体をはじめとするいろいろな方面から現場の状況や実情をよく知らない、わかっていないのではないかといった実態把握能力に欠けているというご指摘をいただくなど、厳しい状況下におかれています。
このようなことから、私どもが所掌するそれぞれの業務における現場の実態把握を的確に行うとともに現場からの発想を大切にするというごく当たり前のことを今一度徹底する必要があると痛感しています。
現場主義、現場重視ということを常に真摯に考えて対応しなければ、結果として、真に福祉サービスを必要とする社会的弱者や現場で一生懸命働いている人々がしわ寄せを被ることになります。
業務を行うに当たっては、国民の目線に立って、的確に行うことが基本であり、そういう意味で、私どももできる限り、現場や自治体をはじめとした関係機関に出向いて関係者の方々と積極的に意見交換等を行うことを心がけ、コミュニケーションを図りながら、これらのことを業務に反映させるよう努力しているところです。
広島で単身生活をするようになって、真っ先に感じたことは広島市内の主要幹線を走っている路面電車(通称:広電)が地域に根付いており、とても便利で人々の生活の一部、大げさに言えば市民生活に欠かせないものになっているということです。現在の路線は昭和27年から運行しており、年間利用者数は約5,300万人(22年度)にも上るそうです。最近では、1日に1回は路面電車を見ないと逆に違和感さえ覚えるようになりました。
私どもは、職員一丸となって厚生局の使命・役割を果たせるよう、そしてよりよい行政サービスの提供をめざして業務に取り組んでいきたいと考えており、まさに厚生局が広電のように地域の人たちになくてはならないものとして一歩でも近づきたいと強く思う今日この頃です。
健康福祉部指導養成課 内藤 久義
指導養成課では、保健、医療、福祉関係の各法令に基づく資格取得を目指す者を養成する施設(大学、短大、専門学校等)の指定及び指導業務を行っています。
「社会福祉士及び介護福祉士法」の改正により、2012(H24)年4月から、一定の教育を受けた介護職員によるたんの吸引や経管栄養等の医療的ケアの実施が出来るようになります。
また、これまでの介護福祉士(※1 ワードの解説)国家試験では、介護業務の経験がある方については3年以上の経験があれば受験できましたが、2016(H28)年に実施される試験からは、これに加えて実務者養成研修(450時間分の研修カリキュラム)を受けることが必要になります。そのため、その研修を実施する新たな実務者養成施設の設置が求められています(※2 受験ルート図参照)。
中国四国厚生局では、11月28日に、これらの改正内容について、中国地方管内の介護福祉士養成施設と介護職員基礎研修(※1 ワードの解説)の実施事業所を対象に、説明会を開催しました。
説明会は、医療的ケアの実施に伴う介護福祉士養成施設の教育課程変更についての説明会(Ⅰ部)と、実務者養成施設の設置希望団体を対象にした説明会(Ⅱ部)に分けて開催し、Ⅰ部には管内36施設から63名、Ⅱ部には管内66施設から103名、延べ166名が参加されました。
説明会当日は厚生労働省(本省)社会・援護局福祉基盤課から担当者2名も出席し、Ⅰ部Ⅱ部を通じ3時間半にわたり、質の高い介護福祉士の養成に向けて、制度改正についての熱心な質疑応答が行われました。
(※1 ワードの解説)
日常生活を営む上で支障がある人に対して、専門的知識や技術をもって心身の状況に応じた介護を行うことを主な仕事にしている者を言います。名称独占の資格で、全国の登録者数は約90万人。
介護サービスに従事しようとする人、従事している人を対象に、専門性を高めるため行われています。研修は500時間。問い合わせ先は各都道府県の担当部局。
(※2 受験ルート図)
(参考)
健康福祉部医事課 神門 征史
日時: | 平成23年11月6、7日 | (第1クール) |
平成23年12月4、5、6日 | (第2クール、うち4日は医療安全セミナーと同時開催) | |
場所: | 広島合同庁舎および広島国際会議場 | |
主催: | 中国四国厚生局 | |
後援: | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 |
(1) 厚生労働省は平成13年から、11月25日を含む1週間を医療安全推進週間と位置づけ、この期間を中心に医療関係者が参画するシンポジウムや研修会を実施しています。その一環として中国四国厚生局では、平成16年から医療安全ワークショップ(以下、ワークショップ)を開催しています。
今年度は「医療機関の特性に応じた医療安全~中小医療機関の医療安全体制を中心に」をテーマに、中国四国地域にある医療機関の病床数300床以下の病院および診療所での医療安全をいかに高めていくかについて、全国からお招きした先生による講演およびシンポジウムによる医療安全セミナー(以下、セミナー)を開催するとともに、5日間にわたるワークショップを通じて議論して参りました。
例年、講師の先生方や参加者によって熱のこもった講義、議論が行われておりますが、本年度開催の様子をご紹介します。
本年度は、69名の方が5日間のワークショップを受講、またワークショップ受講者を含む303名の方がセミナーを聴講しました。ワークショップ受講者のうち91%、セミナー参加者のうち77%の方が診療所や300床以下の病院の医療関係者の方々であり、今回のテーマである中小医療機関からの参加でした。
(2) ワークショップでは、医療事故を想定したシナリオに従って、医療安全の管理者がどのように対処すべきであるのか、法的な視点、カルテ等の記録方法、医療事故の分析、問題点抽出、医療機関の特性を活かした再発防止策の立案、さらには患者・家族への説明の方法などを議論しました。
(3) 広島国際会議場で行われたセミナーはワークショップと同時開催とし、講演とシンポジウム形式で実施しました。講師の鮎澤先生から「安全な医療は大病院だけで、また、一医療機関だけで完結できるものではない。」「機能分化が進められ「地域連携」が図られる中で日本の医療システムにおける中小医療機関の役割はますます大きくなっていく」とのメッセージがあり、医療安全を推進する上での視点や考え方の解説がありました。さらに、シンポジウムでは医療機関で実際に行われている事例を通じて、医療機関の特性に応じた医療安全の取り組みについて解説がありました。
(4) ワークショップ受講者のうち8名の方からは、11月の第1クール開催後に自院で行った事例分析や、実際に行った医療安全対策のレポートを自発的にご提出いただき、本企画が実務に活かされたことを、講師・スタッフ一同うれしく思いました。レポートをいただいた方のお一人には、ワークショップ最後のセッションで事例をご紹介いただき、受講者全員から大きな拍手がおくられました。
また、セミナー開催後のアンケートでは、今後、自院で取り組みたいこととして「診療所だからこそ機動力が生かせると思うので、その日のうちに問題解決できるように努めていきたい。(看護師、診療所・無床)」「病院に勤めている全ての人と協力しあって医療安全を進める。いろんな視点から物事をとらえ、考えていくようにする。(作業療法士、病院・20~100床)」などの声がありました。
今後とも中国四国厚生局では医療安全ワークショップの開催を通して、医療安全のあり方を医療の現場で考えている皆様とともに議論しながら、安心・安全な医療が提供されるよう努めて参りたいと考えております。
企画調整課 熊野 将一
中国四国厚生局では、職員個々の資質の向上を図り、組織力の強化を目指すために定期的に職員研修会を開催していくこととしました。
研修のねらいとして、個々の職員のスキルの向上を目指した実務的な研修とともに、地域の現場で実践されている方の生の声を聞くなど、地域に根付いた仕事を行っていく上で日頃業務上では中々体験できない現場感覚を養い、職員の感性を磨いていきたいという側面もあります。
そうしたこともあり、最初の研修は、新潟県長岡市で高齢の障害者の方々が施設や病院に行かなくても住み慣れた地域で暮らしていけるような機能を地域に展開する地域包括ケアを先駆的に実践されている「高齢者総合ケアセンターこぶし園」の総合施設長の小山 剛(こやまつよし)様を講師にお招きして、「地域に暮らす時代の到来~24時間365日の安心を提供するしくみづくり~」の演題にて11月に開催しました。
今回のテーマは高齢者介護や地域包括ケアということで、参加した職員の多くにとって普段の業務で直接関わることの少ない話しではありましたが、地域で実践をされている方の生の声を聞くことで、感じたことや受け止めたことを業務を行う上で直接間接に活かしていきたいと思います。
今後もテーマを絞って、様々な研修を定期的に企画していく予定です。
企画調整課 熊野 将一
おかげさまで無事第2号発刊の運びとなりました。今月号の各課紹介は総務課に続いて企画調整課が担うこととなりました。しばしお付き合い下さい。
ところで、皆さんは「企画調整課」と聞いてどんな仕事をする課だと思いますか。言葉からだと企画の立案や、局内調整をする課かなと思うかもしれませんし、広報関係全般を取り仕切る部署と感じるかもしれません。もちろんそういった面もあるのですが、私自身この課で約1年半過ごしてみての実感は局の何でも屋あるいは遊軍という言葉がしっくり来る気がしています。
もちろん、ルーティーン業務がありますので、普段あまり仕事をしていないというような意味では決してなく(笑)、局として新たな取り組みにチャレンジする時やどこの課に属するのかわからないような案件が発生した場合にまず最初に思い浮かぶ課と思っていただければイメージしやすいかもしれません。
企画調整課は、平成20年10月に新設された課で当初からそうした機動的な対応を行う課としての役割が期待されていたように感じます。この「せんだん通信」の発行に続いて、喫緊の課題として現在は、局としての組織力の底上げを目指して定期的な職員研修を企画している真っ最中です。
新たなことにチャレンジしていくということは、様々な試行錯誤や失敗を重ねて一歩一歩目標の頂きに近づいていくという点で、月並みな言い方ではありますが苦しい反面大変やりがいのある仕事だと実感しています。
また当課は広報の窓口として、この通信もそうですが、ホームページやパンフレットの作成・更新、情報開示請求事務など地域の皆様と局とをつなぐ役割を担っています。
当課は課長以下3名という小世帯ですが、それぞれがない知恵を絞って、日々喧々諤々と議論を重ねながら、厚生局が地域の皆様にとってより身近でより親しみやすい存在となれるようこれからも頑張ってまいります。
<参考>企画調整課の業務
主な業務 |
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中国地方社会保険医療協議会総会事務(保険医療機関・保険薬局の取消等) |
情報開示請求事務(行政文書の開示) |
企画広報関係(厚生行政に対する提言等を受ける国民の皆様の声、当局に対する質問・情報提供等を受信する意見箱の取りまとめ、ホームページ・パンフレットの更新) |
医療安全の取組の普及及び啓発(医療事故の防止を図り、医療の安全の確保に資するために第三者機関を設けて医療事故死等の原因を究明する診療関連死に関するモデル事業)など |
平成22年度以降の新たな取組 |
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局の基本理念、職員行動規範、業務運営基本方針の策定(理念等の共有) |
局の組織目標の策定(組織運営の適正化) |
せんだん通信の発行(地域への情報発信機能の強化) |
職員向け研修の企画(組織力の向上) |
早いものでもう師走。今年は皆さんにとってどんな1年だったでしょうか。
3月11日の忘れられない出来事は日本中を深い悲しみの渦に巻き込みました。被災地の一日も早い復興を願わずにはいられません。
「上を向いて歩こう」。坂本九さんの名曲が心にしみる今日この頃です。 (M.N.)
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