中国四国厚生局 > 中国四国厚生局について > せんだん通信-中国四国厚生局だより- > せんだん通信 -中国四国厚生局だより 平成24年2月号(平成24年2月6日発行)
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更新日:2017年11月16日
【目次】
麻薬取締部長 三澤 馨
麻薬Gメンという職業をご存じの方は多いと思いますが、厚生局とはなかなか結びつかないかもしれません。麻薬Gメン、すなわち麻薬取締官は、厚生労働省に所属し、覚せい剤や大麻などの薬物犯罪の取締りを専門に行う特別司法警察職員であり、警察官と同じように逮捕権や拳銃の所持などが認められています。従来、各地区に設置された麻薬取締官事務所に所属していましたが、平成13年の中央省庁再編に伴い、麻薬取締部として厚生局の一員となりました。全国で約260名の麻薬取締官が活躍しており、中国四国厚生局では15名の取締官が中国5県を管轄して業務に当たっています。
さて、薬物乱用や密売は個人の健康を害し家庭の幸せを損なうばかりでなく、犯罪組織の資金源となって社会全体の安全・安心を脅かすものであり、政府を挙げてその根絶に取り組んでおります。しかしながら、薬物事犯はなかなか収束の兆しを見せず、毎年約1万5千人が検挙されています。中国5県は比較的薬物犯罪が少ない地域ですが、それでも毎年600人前後が検挙されています。そのうち、7割以上は覚醒剤事犯で、最近は若者を中心に大麻事犯が増加しています。インターネットを悪用して、遠隔地から薬物を入手するケースも増えています。また、大麻の種子を輸入するなどして不正に入手し、自宅等で栽培する事犯も見受けられます。麻薬取締部では、他の地方の麻薬取締部と密接に連携し、また、税関や警察などと協力しながらこれらの犯罪の摘発に努めています。
薬物乱用を未然に防ぐことは薬物犯罪の摘発以上に重要です。このため、自治体やライオンズクラブなどの民間団体と協力し、現役や退官した麻薬取締官が管内の大学や高校などに赴き、薬物乱用防止教室における講演などを行っています。また、一度、薬物に手を染めてしまった人たちの再乱用防止にも、厚生労働省を挙げて取り組んでおり、麻薬取締官も、そのような人たちに対する助言や指導を行い、社会復帰の手助けを行っています。
麻薬取締官のもう一つの重要な任務は、医療で使われるモルヒネなどの麻薬や睡眠薬などの向精神薬の流通の適正な管理です。麻薬や向精神薬が不正に横流しされないよう目を光らせることはもちろん、治療に必要なこれらの医薬品が適切に患者さんの手に届けられるように努めています。たとえば、癌などの痛みに対する治療に使われるモルヒネなどの麻薬の輸出入は厳格に管理されていますが、そのような治療を受けている患者さんが安心して薬を携帯して海外旅行ができるよう証明書を迅速に発行しています。また、地域の薬局間で在庫を抱えにくい麻薬を融通しやすくして患者さんの利便を図るための措置をとっています。
このように麻薬取締官は、薬物犯罪の取締りのみならず、青少年に対する乱用防止教育、乱用者の社会復帰支援、そして麻薬・向精神薬の管理を通じて適正な医療の推進に寄与しています。これからも厚生局の一員として、厳しい中にも暖かみのある麻薬取締官を目指し、地域の安全、安心の確保に貢献してまいります。
総務課 林 啓治
大学の入学試験などが本格化する時期ですが、厚生局が実施業務を行う国家試験も、2月4、5日の歯科医師を皮切りにいよいよ始まりました。
厚生局が実施する国家試験は、医師をはじめ歯科医師、助産師、保健師、看護師及び薬剤師の6つの資格です。
中国四国厚生局ではこれまで、総務課の職員が中心になって試験会場の選定、受験願書の受付、受験票の交付などの事務を進めてきましたが、試験を円滑に実施するため厚生局の職員総出で本番に臨んでいます。
試験の日程及び会場は下表のとおりです。
受験者の皆さんのご健闘を祈ります。
試験名 | 試験日程 | 試験会場 |
---|---|---|
歯科医師(第105回) | 2月4日(土)~ 2月5日(日) | 広島大学霞キャンパス(広島市南区霞1-2-3) |
医師(第106回) | 2月11日(土)~ 2月13日(月) | 広島市中小企業会館(広島市西区商工センター1-14-1) |
助産師(第95回) | 2月16日(木) | 広島工業大学専門学校(広島市西区福島町2-1-1) |
保健師(第98回) | 2月17日(金) | 広島工業大学専門学校(広島市西区福島町2-1-1) |
看護師(第101回) | 2月19日(日) | 広島工業大学専門学校(広島市西区福島町2-1-1) |
薬剤師(第97回) | 3月3日(土)~ 3月4日(日) | 広島市立大学(広島市安佐南区大塚東3-4-1) |
◆受験願書受付の様子
◆昨年度の保健師・助産師・看護師国家試験合格発表の様子
健康福祉課 森田 祥治・橋本 直希
健康福祉課では、健康と福祉に関する種々の法令に基づく幅広い業務を所掌しています。
数多くある業務のうちのひとつである「補助金等の交付業務」について紹介させていただくと、取り扱っている補助金等は約20種類にも及び、その交付目的や交付額の規模も様々です。
中国四国厚生局が所管する補助金等は、大きく「施設整備関係」と「施設整備関係以外」に分けることができます。
「施設整備関係」については、その名のとおり施設や設備を新たに整備するにあたって交付されるもので、その補助対象は、介護施設や障害者施設等の福祉施設、さらには医療機関や食肉衛生検査所等の保健衛生施設まで多岐に亘っています。
特に、平成20年~22年に新型インフルエンザが国内でも大流行した際、感染対策のための設備整備について、例年にはない多くの医療機関に対し各県を通じて補助金の交付(※1)を行いました。
もうひとつの「施設整備関係以外」は、原爆被爆者手当や児童扶養手当等の各種手当金の給付(※2)、保育所の運営費など、地方自治体等を介して何らかの形で地域の皆様に直接関わるものです。少し身近に感じていただけるかも知れません。
補助金等に関する業務の他にも、例えば、民生委員・児童委員の委嘱・表彰等、中小企業等協同組合の設立認可等、精神保健指定医の指定及び各種公費負担医療を行う医療機関の指定等、多種多様な業務を行っています。なかでも、「原子爆弾被爆者援護のための指定医療機関」の指定については、被爆地である広島が管内であることから、全国の当該指定医療機関の半数近く(※3)を中国四国厚生局で指定しています。
この指定医療機関は、被爆者の原爆放射線に起因する疾病に対し、医療費を全額国費で給付する認定疾病医療を担当する医療機関として、厚生労働大臣が指定するものです。国が被爆者に対する医療対策を講じる中で、医療給付を担当する指定医療機関は、原爆被害の特殊性からして、設備が優秀であり、かつ、治療に十分の知識経験を有するものでなくてはなりません。被爆から66年余を過ぎた今でも多くの申請がなされており、被爆者援護の重要性をひしひしと感じています。
私たちは、これらの施策を通して地域の皆様の健康と福祉の増進に寄与し、生活や暮らしが将来にわたって安心かつ安全なものとなるよう、使命感と責任感を常に持ちながら全力で取り組んでいきます。
平成23年度 | 平成22年度 | 平成21年度 | ||||
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中国四国合計 | 14件 | 988.2万円 | 303件 | 5,873.3万円 | 178件 | 1億1,179.8万円 |
健康診断費交付金 | 手当交付金 | 葬祭料交付金 | |
---|---|---|---|
鳥取県 | 433.6万円 | 1億7,459.7万円 | 503.0万円 |
島根県 | 2,150.4万円 | 6億3,575.5万円 | 1,810.5万円 |
岡山県 | 2,300.4万円 | 7億6,690.9万円 | 1,871.1万円 |
広島県 | 2億7,906.7万円 | 125億6,673.1万円 | 2億9,281.0万円 |
山口県 | 2,727.3万円 | 16億3,338.1万円 | 4,023.2万円 |
広島市 | 8億1,679.1万円 | 291億7,468.6万円 | 5億4,553.9万円 |
計 | 11億7,197.5万円 | 449億5,205.9万円 | 9億2,042.7万円 |
(※3)被爆者援護法指定医療機関数(平成23年4月1日現在)
2月4日は「立春」。1月21日の「大寒」以降、文字どおりとても寒い日が続いていますが、暦の上ながらようやく「春」という文字が見えてきました。暖かさを感じられる日はまだ先ですが、確実に季節は春に向かっています。
風邪などひかないよう健康に留意しながら、春の訪れを楽しみに待ちたいと思います。 (M.N.)
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