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更新日:2013年3月18日

食品として販売に供する物に関して行う健康保持増進効果等に関する虚偽誇大広告等の禁止及び広告等適正化のための監視指導等に関する指針(ガイドライン)について

(平成15年8月29日)
(薬食発第0829007号)
(各都道府県知事・各保健所設置市長・各特別区長あて厚生労働省医薬食品局長通知)
健康増進法の一部を改正する法律(平成15年法律第56号)は、本年5月30日に公布され、標記に係る改正規定が本日施行されたところである。
今般、新たに盛り込まれた措置については、虚偽誇大広告等の禁止のための勧告及び命令の措置が厚生労働大臣の権限とされているが、極めて広汎かつ多岐にわたる虚偽誇大広告等の適正化を図るためには、貴職における各地域の実情を踏まえた監視指導が重要であるので、特段の御配慮をお願いしたい。
また、当該措置は「食品として販売に供する物」に関して規制するものであるため、食品として販売される無許可無承認医薬品や、生鮮食品等明らかに薬事法の適用対象とならない食品についても規制対象となっていることに留意されたい。
ついては、標記に係る改正規定の円滑な施行に資するため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言として、別添のとおり指針を定めたところであるので、同指針に従った監視指導の実施について、よろしく御協力をお願いする。

 

(別添)
食品として販売に供する物に関して行う健康保持増進効果等に関する虚偽誇大広告等の禁止及び広告等適正化のための監視指導等に関する指針(ガイドライン)
第1 規定の趣旨
1 健康増進法の一部改正の趣旨
食品として販売に供される物について、健康の保持増進の効果等が必ずしも実証されていないにもかかわらず、当該効果を期待させる虚偽又は誇大と思われる広告が、インターネットの普及等と相まって様々な媒体に数多く掲載され、販売の促進に用いられている。また、これらの食品については、期待される健康の保持増進の効果等を享受するため、当該食品の長期的かつ継続的な摂取が推奨される傾向が一般に認められる。こうした状況の下、健康の保持増進の効果等について、著しく事実に相違又は著しく人を誤認させる広告が十分な取締りがなされることなく放置された場合、これを信じた国民が適切な診療機会を逸してしまうおそれ等もあり、国民の健康の保護の観点から重大な支障が生じるおそれもある。
このため今般、健康増進法(平成14年法律第103号。以下「法」という。)の一部を改正し、健康の保持増進の効果等に関して虚偽又は誇大な広告を禁止することとしたものである。
2 食品として販売に供する物に関して広告その他の表示をする者の責務
本規定の趣旨から、食品として販売に供する物に関して広告その他の表示をする者は、その責務として、摂取する者が当該食品を適切に理解し、適正に利用することができるよう、健康の保持増進の効果等について、客観的で正確な情報の伝達に努めなければならないものである。
3 改正の内容
今般の改正規定の具体的内容としては、法第32条の2の規定において、こうした健康の保持増進の効果等に関する広告その他の表示(以下「広告等」という。)について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならないことを規定するとともに、法第32条の3の規定では、厚生労働大臣が、これに違反する表示をした者に対し、国民の健康保持増進に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、
・虚偽又は誇大な広告等を行う者に対して適正な広告等を行うよう勧告し、
・さらに勧告に従わない者に対しては勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができることとし、
・その命令に違反した者には罰則が科される
とすることとしたものである。
さらに、法第32条の3第1項及び第2項に規定する厚生労働大臣の権限は、法第35条の規定に基づく健康増進法施行規則第19条の規定により、法第32条の2の規定に違反して表示をした者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する地方厚生局長に委任するものとされている。ただし、厚生労働大臣が自ら当該権限を行うことは妨げられていないものである。
4 他の法律における広告等に関する規制との関係
今般導入した規定の他に、こうした広告等を規制する規定をもつ法律としては、食品衛生法(昭和22年法律第233号)、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(昭和25年法律第17号)、薬事法(昭和35年法律第145号)、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号。以下「景表法」という。)、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特商法」という。)等がある。今般導入した規定に違反し、又は違反が疑われる広告等は、これら広告等を規制する他法の規定に違反し、又は違反している可能性が十分にあり得る。
このため、今般導入した規定の運用に当たっては、上記関係法令の内容を十分に理解し、法第6章の規定を主管する課室(以下「法主管課室」という。)を中心に、薬事法主管課室等これら関係法令を所管する課室も含め、日常的に収集した情報を交換し、効果的な監視指導のあり方を検討すること等により、密接に連携・協力し、監視の実効を挙げるように努められたい(第4参照)。
法第32条の2の規定に違反し、又は違反が疑われる広告等が同時に、薬事法等関係法令に違反していることが疑われる場合については、違反が疑われる法令の主管課室がそれぞれ連携しながら指導・処分等を行うなど、所要の取組を効果的に行われたい。
第2 法第32条の2の規定により禁止される広告等
1 同条の規制の適用を受ける対象者
同条の規定により誇大表示が禁止される対象者は「何人も」と規定されている。このため、今般の措置の適用を受ける者は、直ちに当該食品等の製造業者、販売業者等に限定されるものではないことに注意する必要がある。
2 同条の規制の対象となる広告等
同条の規定では、食品として販売に供する物に関して広告等をするときは、健康の保持増進の効果その他の厚生労働省令で定める事項について著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示が禁止されるが、個々の広告等が同条の規定の適用対象に該当する広告等かどうかの判断に当たって考慮すべき要素は次のとおりである。
(1) 「食品として販売に供する物」の範囲
同条は、「食品として販売に供する物」(以下「食品等」という。)を適用対象として規定している。このため、例えば、専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)を含むことや医薬品的な効能効果等に該当するものを標ぼうしていること等により無承認無許可医薬品として薬事法の適用を受けるものであっても、食品であることを明示して販売されていたり、医薬品であることを表示せずに飲食物として販売に供されている等のもの(以下「食品として販売される無承認無許可医薬品」という。)については、併せて同条の適用を受ける。すなわち、食品として販売される無承認無許可医薬品に対しては薬事法主管課室に加え、法主管課室及び食品衛生法主管課室がそれぞれ監視指導を行い得ることとなる点に留意する必要がある。
(2) 「広告その他の表示」の定義
同条において「広告その他の表示」とあるのは、顧客を誘引するための手段として、当該食品等の内容に関する事項又は取引条件について行う表示を意味する。このため、個々の表示が広告等に該当するかどうかは、チラシやCMといった形態のみならず、その内容や表示方法にも着目する必要がある。
(3) 健康保持増進効果等の表示の範囲
① 健康の保持増進の効果
同条では、規制の対象となる表示の範囲として、「健康の保持増進の効果その他の厚生労働省令で定める事項」(以下「健康保持増進効果等」という。)」を規定しているが、このうち、「健康の保持増進の効果」とは、健康状態の改善又は健康状態の維持の効果であり、具体的な例示としては、次に掲げるものが該当する。
ア 疾病の治療又は予防を目的とする効果
イ 身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果
ウ 特定の保健の用途に適する旨の効果
エ 栄養成分の効果
なお、このうち、ア及びイは、医薬品の効能効果に相当するものであり、ウについても特別用途食品を除いて医薬品の効能効果を暗示するものに相当する。
また、ウの「特定の保健の用途」とは、健康の維持、増進に役立つ、又は適する旨を表現するもので、例えば次に掲げるものが該当する。
(ⅰ) 容易に測定可能な体調の指標の維持に適する又は改善に役立つ旨
(ⅱ) 身体の生理機能、組織機能の良好な維持に適する又は改善に役立つ旨
(ⅲ) 身体の状態を本人が自覚でき、一時的であって継続的、慢性的でない体調の変化の改善に役立つ旨
② 厚生労働省令で定める事項
同条では、併せて「厚生労働省令で定める事項」についても広告等の規制の対象としており、この厚生労働省令で定める事項の内容としては、健康増進法施行規則(平成15年厚生労働省令第86号)第18条において、次に掲げるものを定めることとしている。
なお、これらについては、健康の保持増進の効果とともに、国民の健康の増進を図るための措置を講じ、国民保健の向上を図ることに関係する場合において規制対象となる。
・含有する食品又は成分の量
・特定の食品又は成分を含有する旨
・熱量
・人の身体を美化し、魅力を増し、容ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つことに資する効果
③ 間接的に健康保持増進効果等を表示する場合
健康保持増進効果等の表示については、①又は②に掲げる効果を直接的に表示しているものだけではなく、広告等全体でみた場合に、間接的に健康保持増進効果等を表示していると一般消費者が認識し得るものも含まれる。このため、例えば、次のような広告等も健康保持増進効果等の表示に該当する。
ア 名称又はキャッチフレーズにより表示するもの
イ 含有成分の表示及び説明により表示するもの
ウ 起源、由来等の説明により表示するもの
エ 新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、体験談などを引用又は掲載することにより表示するもの
オ 医療・薬事・栄養等、国民の健康の増進に関連する事務を所掌する行政機関(外国政府機関を含む。)や研究機関等により、効果等に関して認められている旨を表示するもの
3 禁止の対象となる「著しく事実に相違する表示」及び「著しく人を誤認させるような表示」
同条では、2に該当する広告等であって、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならないこととされている。このため、広告等に記載されている健康保持増進効果等が当該食品等により実際に得られる健康保持増進効果等と著しく相違している場合又は当該食品により実際に得られる健康保持増進効果等と著しく異なるものに誤認されることとなる表示を行えば、同条違反となる。
なお、著しく事実に相違する表示、著しく人を誤認させる表示であるか否かの判断に当たっては、表示内容全体から一般消費者が受ける印象・認識が基準となる。
(1) 「著しく」
具体的に何が「著しく」に該当するかの判断は個々の広告等に即してなされるべきであるが、例えば一般消費者が広告等に書かれた事項と摂取した場合に実際に得られる真の効果との相違を知っていれば、「当該食品を購入することに誘い込まれることはない」等の場合は、これに該当する。
(2) 「事実に相違する」
「事実に相違する」とは、広告等に表示されている健康保持増進効果等と実際の健康保持増進効果等が異なることを指す。このため、例えば、十分な実験結果等の根拠が存在しないにもかかわらず、「3ケ月間で○キログラムやせることが実証されています。」と表示する場合や、体験談を捏造等し、又は捏造された資料を表示した場合等は、この状態に該当することとなる。
(3) 「人を誤認させる」
一方、「人を誤認させる」とは、食品等の広告等から認識することとなる健康保持増進効果等の「印象」や「期待感」と健康の保持増進の実際の効果等に相違があることを指す。なお、「誤認させる」とは、当該表示を見て一般消費者が受ける「印象」、「期待感」と実際のものに相違があることを常識的判断として言えれば足り、誤認したという結果まで必要としない。このため、例えば、
・特定の成分について、健康保持増進効果等が得られるだけの分量を含んでいないにもかかわらず、生活習慣を改善するための運動等をしなくても、摂り過ぎた栄養成分若しくは熱量又は体脂肪若しくは老廃物質等を排出し、又は燃焼させることをイメージさせる
・健康保持増進効果等に関し、メリットとなる情報を断定的に表示しているにもかかわらず、デメリットとなる情報(例 効果が現れない者が実際にいること、一定の条件下でなければ効果が得られにくいこと 等)が表示されておらず、又は著しく消費者が認識し難い方法で表示されている
・健康の保持増進の効果等について公的な認証があると表示しておきながら、実際には、当該効果等に係る認証を受けていない
・根拠となる学術データのうち、当該食品にとって不都合な箇所を捨象し、有利な箇所のみを引用する
場合などは、一般的にこれに該当するものと考えられる。
第3 法第32条の3の規定による勧告等の手続
1 厚生労働大臣等による勧告(第1項)
同条では、法第32条の2の規定に違反する広告等に対する措置が規定されている。まず、法第32条の3第1項では、厚生労働大臣又は地方厚生局長(以下「厚生労働大臣等」という。)は、前条の規定に違反して表示をした者がある場合において、国民の健康の保持増進に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、その者に対し、当該表示に関し必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができることを規定している。
ここでいう、当該表示を放置することにより「国民の健康の保持増進に重大な影響を与えるおそれがあると認めるとき」とは、個々の状況に応じ判断する必要があるが、例えば、重篤な疾患を抱える患者が当該表示を根拠に当該商品を購入することにより適切な診療機会を逸して当該患者の健康の保持増進が図れなくなるおそれがある場合や、国民生活センターや消費生活センター等にその健康保持増進効果等について数多くの苦情等が寄せられている等「国民保健の向上を図る」という健康増進法の目的に照らして看過できない悪影響が及ぼされるおそれがある場合が該当することとなる。
なお、本項の規定に基づく勧告の内容は、個々の事例により異なってくることとなるが、広告等の掲載の差止め等の勧告を受けた者が実施しなければならない措置とともに、当該措置の実施に関する合理的な範囲内での期限及び当該措置を実施したことの厚生労働大臣等に対する報告等が併せて勧告される場合もある。
2 厚生労働大臣等による命令(第2項)
同条第2項では、厚生労働大臣等は、前項に規定する勧告を受けた者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、その者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができることとしている。
この場合も、当該措置を実施すべきことを命ずるとともに、当該措置の実施に関する合理的な範囲内での期限及び当該措置を実施したことの厚生労働大臣等に対する報告等を併せて命令する場合もある。
なお、当該命令に違反した場合は、法第36条の2の規定により、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されることとなる。
3 立入検査・収去等(第3項)
法第32条の3第3項では、食品として販売に供する物であって健康保持増進効果等についての表示がされたもの(特別用途食品、法第29条第1項の承認を受けた食品及び販売に供する食品であって栄養表示がされたものを除く。)において法第27条の規定を準用する旨が規定されている。したがって、食品衛生監視員は必要があると認めるときは、食品として販売に供する物であって健康保持増進効果等についての広告等がされたもの(食品として販売される無承認無許可医薬品を含む。)について、その製造施設、貯蔵施設又は販売施設に立ち入り、検査し、試験の用に供するのに必要な限度において収去することができる。
また、法第32条の3第3項において準用する法第27条第1項に規定する厚生労働大臣の権限は、食品として販売に供する物の製造施設、貯蔵施設又は販売施設の所在地を管轄する地方厚生局長に委任されている。ただし、厚生労働大臣が自ら当該権限を行うことは妨げられていないものである。
第4 健康保持増進効果等についての虚偽誇大広告等の監視体制整備
1 法第32条の2に係る効果的な監視指導体制等
法第32条の2違反及び違反が疑われる広告等について、効果的な監視指導を行うに当たっては、特に栄養学、薬学等の知見が求められることが予想される。ついては、法主管課室のうち、これらの知見を有する者が監視指導に当たる等、積極的な役割を果たすことが期待される。
また、食品衛生監視員は、食品衛生法に基づく食品衛生監視の際に同条に違反する広告等を発見する機会が多いものと考えられる。こうした点を踏まえ、法主管課室においては、食品衛生監視員に対し同条の規定及び本指針を周知徹底し、食品衛生監視員が営業者等に対し適切な指導又は情報提供ができるよう環境作りに努めるとともに、食品衛生監視員との密接な情報共有を図られたい。さらに、第3の3に示しているとおり、法第32条の3第3項の規定による、食品として販売に供するものであって健康保持増進効果等に関する表示が行われたものに係る立入検査及び収去の事務は、食品衛生監視員の事務とされている。法主管課室と食品衛生法主管課室とが連携をとり、食品衛生監視員が立入検査及び収去を実施するに当たっては、円滑な権限行使ができるようその実施方針を示す等により効果的な運用に努められたい。
また、こうした監視を通じて違法性が疑われる広告等については、厚生労働大臣等による勧告の対象となり得るため、2の(2)に示すところにより地方厚生局へ報告されたい。
なお、当面、法第32条の2の規定に関する監視指導の実施に当たっては、法第32条の3の勧告の対象として規定されている「国民の健康の保持増進に重大な影響を与えるおそれがある」事例に重点を置くこととされたい。
2 食品として販売に供する物の虚偽誇大広告等に対する総合的な対策の推進
(1) 健康増進、食品衛生及び薬事主管各課室間の密接な連携
第1の3に示しているとおり、今般導入した広告等規制は、関連他法令における広告等規制と重畳的に適用され得るものである。特に、食品として販売に供されている物の一部には、専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)を含むことや医薬品的な効能効果等に該当するものを標ぼうしていること等により、無承認無許可医薬品として薬事法の適用を受ける現状が認められる。こうした状況に即応するためには、関連する「健康増進」、「食品衛生」及び「薬事」の3つの分野の担当課室が緊密な連携を確保することが必要である。
特に、保健所は地域保健法(昭和22年法律第101号)第6条の規定により「栄養の改善及び食品衛生に関する事項」及び「薬事に関する事項」につき、企画、調整、指導及びこれらに必要な事業を行うこととされており、地域保健対策を取り巻く環境の変化等に即応し、高度化する保健、衛生等に関する需要に的確に対応することができるよう、施策を総合的に推進する任務を有している。
都道府県、保健所を設置する市及び特別区の衛生主管部局長及び各保健所長並びに「栄養の改善及び食品衛生に関する事項」及び「薬事に関する事項」を担う他の行政機関の長においては、食品として販売に供されている食品の広告等の適正化のため、個々の広告等に照らして違反が認められ、又は違反が疑われる法令を着実に運用し、法主管課室のみならず食品衛生法主管課室及び薬事法主管課室の有機的な活用を図る等、一元的な監視指導がなされるよう指揮監督されたい。
(2) 都道府県等及び担当地方厚生局長間の密接な連携
都道府県、保健所を設置する市及び特別区(以下「都道府県等」という。)が発見等した法第32条の2の規定に違反し、又は違反が疑われる広告等に対する勧告等の施行事務については、厚生労働省食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室(以下「対策室」という。)で一元的に行ってきたところだが、地域の実情に即した監視指導体制の強化を図る観点から、平成16年4月1日より、当該施行事務をその特性を踏まえて対策室と地方厚生局で分担することとした。
各都道府県等において法第32条の2の規定に違反し、又は違反が疑われる広告等を発見した場合は、国民の健康の増進を図るための措置である表示の適正化に向け、当該都道府県等の区域を管轄する地方厚生局(以下「域内厚生局」という。)と密接な連携を図られたい。域内厚生局は、法第32条の2の規定に違反して表示をした者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する地方厚生局と情報交換等を行い、表示の適正化に向けた所要の取組みを相互に行うものとする。
(3) 法及び景表法等の有機的活用
景表法は、「商品、規格その他の内容について、実際のもの又は当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示」を規制している(景表法第4条第1号)。すなわち、法第32条の2違反となる食品は、それが取引に供され、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる場合、同時に景表法に違反する可能性が非常に強いものであり、法及び景表法が有機的に活用されることが重要である。
当面、景表法を所管する公正取引委員会との情報共有等、法第32条の3の規定に基づく勧告及び命令を発動するための具体的な連携は厚生労働省において行うので、都道府県、保健所を設置する市及び特別区の衛生主管部局長及び各保健所長並びに「栄養の改善及び食品衛生に関する事項」及び「薬事に関する事項」を担う他の行政機関の長におかれても、法及び景表法に違反が疑われる広告等を発見した場合には、厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室への必要な情報提供方よろしくお願いしたい。
また、通信販売業者等が食品として販売に供する物について行う広告等については、特商法の規定も重畳的に適用され得るので、当該法令を所管する部局との連携方についてもよろしくお願いしたい。
(4) 消費者行政機関との連携
健康食品等に係る苦情等に関する消費者行政機関との定期的な連絡会の開催等の連携の推進については「健康食品・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領について」(平成14年医薬発第1004001号)によりお願いしているところであるが、この当該連絡会等の場を通じて、消費者行政機関において把握された法第32条の2の規定の違反が疑われる広告等に関する情報を入手し、必要な措置をとられたい。

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