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更新日:2013年3月18日

民生委員・児童委員の研修について

(平成14年5月22日)
(/雇児発第0522001号/社援発第0522001号)
(各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長あて厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、厚生労働省社会・援護局長通知)
民生委員・児童委員の活動については、住民のニーズの多様化に伴い、分かりやすい情報提供や日常生活への援助等住民の立場に立った活動が期待されており、このため、先般の「社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律(平成12年法律第111号)」において、民生委員の職務等について、その期待される役割にふさわしい規定に改められたところである。
また、子育て不安の増大や児童虐待に関する相談件数の急増に伴い、児童の健全育成のための環境を整備するため、児童委員の活動の活性化を図ることが必要であったことから、今般、「児童福祉法の一部を改正する法律(平成13年法律第135号)」において、児童委員の職務の明確化等が図られたところである。
今後、民生委員・児童委員は、これらの要請に応えるため、資質をさらに高める必要があることから、民生委員法(昭和23年法律第198号)第18条及び児童福祉法(昭和22年法律第164号)第13条の2に基づき、民生委員・児童委員の研修の方法が下記のとおり定められたので、貴職におかれては、これにより、地域の実情に応じて適切に研修を実施されたい。
なお、「民生委員・児童委員の指導訓練について」(昭和35年1月5日社発第1号本職通知)は平成14年5月22日をもって廃止する。
第1 研修の目標
都道府県知事(指定都市又は中核市の市長を含む。以下同じ。)は、次の事項を目標にして研修を実施すること。
(1) 民生委員法第14条及び児童福祉法第12条の2に定める民生委員・児童委員の職務及び生活保護法(昭和25年法律第144号)、身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)等に定める市町村長等の協力機関としての職務に必要な知識及び技術が修得されること。特に、社会保障制度等の改正や住民の援助に活用できる社会資源の動向に関し民生委員・児童委員が常に必要な情報等を得られるよう留意すること。
(2) 民生委員・児童委員活動の実効性は、個々の民生委員・児童委員の資質によるところが大きいので、地域福祉の推進の担い手としての民生委員・児童委員の役割についての理解を深めさせることによりその活動意欲の醸成を図ること。
第2 研修の計画
1 都道府県知事は、次の事項に留意し、毎年度当初に研修の計画を作成すること。
(1) 当該年度の重点課題を定めること。
(2) 社会福祉協議会、民生委員・児童委員協議会等が民生委員・児童委員に対する研修を行っている場合、研修内容の整合を図ること。
(3) 講習会等の開催、資料の配布及び実地研修等を組み合わせて研修の効果を高めるようにすること。
(4) 研修の企画に当たっては、民生委員・児童委員や関係機関の意見を積極的に取り入れ、実践に活かすことができる研修内容とすること。
研修の方法及び内容は、単に知識や技術の伝達にとどまらず、民生委員・児童委員が積極的に参加でき、実践に活かすことができる内容とし、対象者や地域が抱える問題事項等を考慮して適当なものとすること。
(1) 講習会等の開催
ア 全民生委員・児童委員を対象とするもの
(ア) 民生委員の職務内容に関すること。
福祉各法に基づく施策、地域福祉推進の理念、介護保険制度、生活福祉資金等福祉分野に関する知識、保健及び医療関連分野に関する知識、教育、住宅等生活関連分野に関する知識、支援が必要な者のニーズの発見の手法、社会的孤立や排除等の課題への対応方法、民生委員・児童委員協議会の運営方法等、民生委員活動を行うために必要な内容とすること。
(イ) 児童委員の職務内容に関すること。
子育て不安、児童虐待等の増加を踏まえ、児童、妊産婦、母子家庭等に関する相談・援助、子育て支援、児童の健やかな育成に関わり、地域の親子とふれあう活動等、児童委員活動を行うために必要な内容とすること。
イ 主任児童委員を対象とするもの
児童委員に対する援助及び協力、子育て支援、児童虐待の早期発見・早期対応、児童虐待防止への取組、関係機関との連絡調整等、主任児童委員活動を行うために必要な内容とすること。
ウ 新任の民生委員・児童委員を対象とするもの
一斉改選直後に講習会等を開催して民生委員・児童委員としての自覚を促し、直ちに実践活動に参加できるようにすること。
なお、欠員補充等で委嘱された新任の民生委員・児童委員に対しても、適宜講習会等を開催すること。
エ 民生委員・児童委員協議会の会長等を対象とするもの
民生委員・児童委員協議会の会長等の間での情報交換、民生委員・児童委員協議会の運営方法等を内容とすること。
オ 相談援助活動の中心となる民生委員・児童委員を育成するもの
民生委員・児童委員からの相談に応じて関係機関や援助方法を助言・紹介すること等により民生委員・児童委員協議会における相談援助活動の中心となる民生委員・児童委員を育成するため、専門的な研修を開催すること。
カ 問題事項についての事例検討等
都市、過疎地等地域の実情を考慮し、地域が抱える問題事項別に、事例検討等を行うこと。
キ 関連分野の職員との研究協議会等
民生委員・児童委員が関係する機関の役割について理解し、幅広く活動できる基盤を整備するため、社会福祉主事、児童福祉司等関係する分野の職員等との横断的な研究協議会等を開催すること。
ク 社会福祉大会又は民生委員・児童委員大会
社会福祉大会又は民生委員・児童委員大会を開催した際は、大会を自主的研究討議の機会とするとともに、民生委員・児童委員としての意識を高め、併せて社会に対する民生委員・児童委員制度の周知の機会とすること。
(2) 資料の配布
民生委員・児童委員必携、児童委員活動の手引、児童虐待に関する資料、民生委員・児童委員協議会の機関紙等その職務に関する資料を有効に活用すること。
(3) 実地研修
民生委員・児童委員活動の実践的な参考とするため、見守りネットワークや子育てサロン等の地域ニーズを反映した先駆的な取組を行っている民生委員・児童委員協議会の事業等を実地に体験させるとともに、意見交換等を行うこと。
第3 研修の評価
研修の実施後、民生委員・児童委員の意見等を参考にしてその評価を行い、次の研修計画の企画に反映すること。
第4 関係職員の研修等
1 関係職員の研修
民生委員・児童委員の活動が円滑かつ効果的に行われるため、管内の福祉事務所、市(区)町村及び社会福祉協議会等の関係職員に対し、民生委員・児童委員の制度概要、役割等について研修すること。
2 民生委員・児童委員制度の周知
民生委員・児童委員活動が円滑かつ効果的に行われるために、地方公共団体の広報誌、インターネットのホームページ、新聞、ラジオ等の媒体を利用するほか、民生委員・児童委員個々の活動はもとより民生委員・児童委員協議会、社会福祉協議会等の地区組織等を通じて民生委員・児童委員制度の周知に努めること。
第5 経過措置
この通知の施行の際現に「民生委員・児童委員の指導訓練について」(昭和35年1月5日社発第1号本職通知)に基づき平成14年度の民生委員・児童委員の指導訓練を計画している場合には、平成14年度においては、当該計画に基づき指導訓練を実施して差し支えない。

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