中国四国厚生局 > 中国四国厚生局について > せんだん通信-中国四国厚生局だより- > せんだん通信 -中国四国厚生局だより平成24年7月号(平成24年7月5日発行)
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更新日:2017年11月16日
【目次】 |
観音寺(広島市佐伯区)のあじさいが満開です |
麻薬取締部長 前木 秀治
それは、ご飯に鰹節を振りかけただけの夕食でした。突然の捜索に、老婆も子供達も箸を置くこともなく、こちらをきょとんと見ていました。隣の部屋でイビキをかいていたA子。数年前から覚醒剤を乱用する彼女の体はボロボロ、客から得る一日の稼ぎのほとんどは暴力団に渡り、手元に残る僅かな金は覚醒剤の代金へと消えていきました。それでも子供達は満足そうでした。ご飯が食べられるし、何よりも母親が側にいたからです。しかし、そのようなささやかな幸せも、一瞬にして悲しい別れの時に変わりました。何かを察して泣き叫ぶ子供達の横で、「覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕する。」と告げると、A子は子供達を抱きしめ、老婆はうつむき涙を流しました。A子は、「これで、やっと覚醒剤を止めることが出来ます。」と深く頭を下げ、そして、「母ちゃんかならず、帰ってくるから。」と子供達に言い残したのです。これは、今でも脳裏にはっきりと焼き付いている30年位前にあった場面です。この世に薬物の乱用がある限り、悲しい別れは無くなりません。
我が国における主な乱用薬物は覚醒剤です。平成23年の薬物事犯による検挙人員は14,200人、このうち覚醒剤事犯が12,083人と85%を占めています。昭和20年代後半、昭和50年代後半に続く「第三次覚醒剤乱用期」が到来し既に15年、未だ乱用の沈静化はありません。ここ中国地区においても、昨年444人が覚醒剤事犯で検挙され、薬物事犯全体の87%を占める等、依然として深刻な状況が続いています。また、インターネットが普及する中、乱用される薬物の種類や入手方法は多様化が一段と進み、その乱用は一般の主婦や若年層へと拡大し、その対策は国家的な課題となっています。薬物の乱用を防止するためには、薬物の供給と需要を根絶する必要があります。薬物の供給を根絶する取り組みとして、私達は、薬物密輸・密売組織壊滅の為、目的を同じくする警察、税関、海上保安庁等関係機関と連携し、一丸となって取締りを強力に実施します。
対する薬物の需要を根絶する取り組みとしては、末端乱用者の検挙を徹底することは当然ですが、末端乱用者の再乱用を防止すること及び乱用者を作らないため、社会全体に薬物の危険性について正しい知識の普及を図ること等が最も重要です。私達は精神保健福祉センター及び保健所、医療機関等とも協力し、薬物乱用者の治療や社会復帰のための再乱用防止対策を実施します。また、地域に密着して活動している地域奉仕ボランティア団体及び薬物乱用防止指導員や保護司等の皆様とも協力し、薬物乱用防止啓発活動にもしっかりと取り組みます。私達は、これからも厚生局の一員として、中国地区の皆様が健康で安心出来る社会の構築に向け、その一端を担うべく努めて参りたいと思います。
医事課 森田 祥治
開催日 :平成24年4月29日(日)10:00~16:00
開催場所 :岡山コンベンションホール(岡山市北区駅元町14-1)
医師臨床研修制度とは、医師法に定められた制度で、診療に従事しようとする医師は、大学(医学部附属)病院や厚生労働大臣が指定した臨床研修病院で2年以上の研修を受けなければならないことになっています。
中国四国厚生局では、医学生を対象に、中国四国地域の大学病院および臨床研修病院による合同説明会を開催しました。今年は中国四国112施設のうち94施設から参加があり、医学生については78名の参加登録者がありました。(参加施設一覧はこちら)
説明会会場の様子 |
昨年度に引き続き今年度も連休中の開催ということもあり、新潟や鹿児島など遠方の大学に在学中の方の参加がありました。また、中国四国地域以外の出身の方も参加しています。(図1)
入場時のアンケート結果(集計数78)では、説明会当日までに研修先を決定している参加者はわずかで、9割以上は「研修先を決めていない」と回答がありました。参加者が希望する地域(複数回答)は、中国地域が最も多く6割、四国地域は2割でした。その中で、中国地域を希望する方は「出身地」と回答した方が多く、四国地域を希望する方では「出身大学所在地」とした方が多く見られました。(図2)
説明会場の各ブースでは、参加者が病院の指導医の先生方から熱心に研修プログラムの内容や現場の情報を聴いている姿がみられました。参加者は、平均5.5施設のブースを見学しており、最も多くのブースをまわった方は10ブースで説明を受けたようです。会場内に設けられた講演会場では、臨床研修を修了し指導医講習会を経験した先輩医師3名の講師から、自身の研修医当時の経験を交えながら臨床研修の期間をいかに充実したものにするかお話しいただきました。講演後には病院側のスタッフからも質問があり、個々の研修医が求める魅力ある研修と病院の特色を出しながら臨床研修を修了するために、制度上必要不可欠な到達目標を加味した研修の実施方法について議論されました。
説明会後のアンケートでは、「期待した情報が見つかった」との回答が多くありました。また数名の方からは、「候補病院を見つけた」との、うれしい回答もありました。
中国四国厚生局では、医学生の皆様に中国四国地域で行われている臨床研修の魅力を伝えられるよう、今後も臨床研修病院の情報を発信して参ります。
鳥取事務所長 西井 俊文
鳥取事務所 職員一同
シリーズ第1回目でご紹介しました、保険医療機関等の指定及び保険医等の登録等に引き続き、第2回は鳥取事務所がバトンを引継ぎ「保険医療機関等の施設基準」についてご紹介いたします。 まずは、あまり馴染みのない中国四国厚生局鳥取事務所について簡単にご紹介します。 |
風紋が美しい鳥取砂丘 |
鳥取名産「二十世紀梨」 |
さて、「保険医療機関等の施設基準」についてですが、「施設基準」って何?と思われる方が殆どだと思います。施設基準とは、医療法で定める医療機関及び医師等の基準に加え、健康保険法等の規定に基づき特定の保険診療を行う際の医療機関の機能や設備、診療体制等の基準を定めたもので、その基準を満たすことを要件に所定点数・加算点数を算定出来るようになっています。 |
以上、簡単ではありますが、「保険医療機関等の施設基準」についてご説明させていただきました。
次回は、中国四国厚生局島根事務所から、保険医療機関等の指導・監査に係る業務についてご紹介します。
先日夜の雨の中、郊外の国道を車で走っていたら、沿道に田んぼが広がる地域にさしかかったところで賑やかな蛙の合唱が聞こえてきました。都市部に住んでいると残念ながら耳にすることはできませんが、同じような風景が広がるわが故郷を懐かしく思い出しました。
どんよりとした雲が空一面に広がってぐずついた天気が続いていますが、この梅雨が明けると、強い日射しが照りつける熱い夏が、もうすぐです。(M.N.)
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