2024年12月10日

ベースアップ評価料の届出について

概要

このページでは、令和6年度診療報酬改定で新設された「外来・在宅ベースアップ評価料(1)及び(2)」、「歯科外来・在宅ベースアップ評価料(1)及び(2)」、「入院ベースアップ評価料」及び「訪問看護ベースアップ評価料(1)及び(2)」の施設基準の要件及び届出方法について解説しています。

1.ベースアップ評価料の概要について

対象職員(※)のベア等及びそれに伴う賞与、時間外手当、法定福利費(事業者負担分等を含む)等の増加分に用いるため、下記の区分のとおり各種ベースアップ評価料が新設されました。
施設基準の詳細については、下記5の参考資料等をご確認ください。
また、厚生労働省ホームページにおいても、届出にあたっての様々な資料・動画を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
 ベースアップ評価料等について(厚生労働省ホームページ)
 
  種別 届出可能な評価料 備考
(1) 病院 外来・在宅ベースアップ評価料(1)
歯科外来・在宅ベースアップ評価料(1)
初診時、再診時等又は訪問診療(歯科訪問診療)時に算定
入院ベースアップ評価料 入院基本料等を算定している患者について算定
1~165の区分に従い算定
(2) 有床診療所(医科) 外来・在宅ベースアップ評価料(1) 初診時、再診時等又は訪問診療時に算定
外来・在宅ベースアップ評価料(2)
(外来・在宅ベースアップ評価料(1)では一定の水準以上の賃上げが困難な場合)
初診又は訪問診療を行った場合、再診時等に算定
1~8の区分で届け出た区分に従い算定
入院ベースアップ評価料 入院基本料等を算定している患者について算定
1~165の区分に従い算定
(3) 無床診療所(医科) 外来・在宅ベースアップ評価料(1) 初診時、再診時等又は訪問診療時に算定
外来・在宅ベースアップ評価料(2)
(外来・在宅ベースアップ評価料(1)では一定の水準以上の賃上げが困難な場合)
初診又は訪問診療を行った場合、再診時等に算定
1~8の区分で届け出た区分に従い算定
(4) 歯科診療所 歯科外来・在宅ベースアップ評価料(1) 初診時、再診時等又は歯科訪問診療時に算定
歯科外来・在宅ベースアップ評価料(2)
(歯科外来・在宅ベースアップ評価料(1)では一定の水準以上の賃上げが困難な場合)
初診又は歯科訪問診療時、再診時等に算定
1~8の区分で届け出た区分に従い算定
(5) 訪問看護ステーション 訪問看護ベースアップ評価料(1) 区分番号02の1を算定している利用者1人につき算定
訪問看護ベースアップ評価料(2)
(訪問看護ベースアップ評価料(1)では一定の水準以上の賃上げが困難な場合)
訪問看護ベースアップ評価料(1)を算定している利用者1人につき算定
1~18区分で届け出た区分に従い算定

※対象職員とは以下の職種を指します。

ア 薬剤師

イ 保健師

ウ 助産師

エ 看護師

オ 准看護師

カ 看護補助者

キ 理学療法士

ク 作業療法士

ケ 視能訓練士

コ 言語聴覚士

サ 義肢装具士

シ 歯科衛生士

ス 歯科技工士

セ 歯科業務補助者

ソ 診療放射線技師

タ 診療エックス線技師

チ 臨床検査技師

ツ 衛生検査技師

テ 臨床工学技士

ト 管理栄養士

ナ 栄養士

ニ 精神保健福祉士

ヌ 社会福祉士

ネ 介護福祉士

ノ 保育士

ハ 救急救命士

ヒ あん摩マッサージ指圧師、
はり師、きゆう師

フ 柔道整復師

 ヘ 公認心理師

ホ 診療情報管理士

マ 医師事務作業補助者

ミ その他医療に従事する職員
(医師及び歯科医師を除く。)

2.届出書の作成について

届出書の記載にあたっては、必ず「記載上の注意」をご確認ください。
様式は下記リンク、または「ベースアップ評価料等について(厚生労働省ホームページ)」からダウンロードすることができます。

Excel提出の際にはファイル名を変換し、医療機関コード、または訪問看護ステーションコードの7桁を記載してください。
(例)0000000_ベースアップ評価料届出.xlsx
 

届出区分の変更・辞退について

外来・在宅ベースアップ評価料(2)、歯科外来・在宅ベースアップ評価料(2)、入院ベースアップ評価料、訪問看護ベースアップ評価料(2)については、届出医療機関及び訪問看護ステーションに対して、3・6・9・12月にそれぞれ区分の見直しが求められているところですが、3か月ごとの見直しにより、届出区分が変更となる場合・届出を辞退する場合については、それぞれ次の届出が必要です。
届出の提出はメールにより行ってください。メールアドレスを有しない等の場合には、書面による提出も可能ですが、可能な限りメールにて提出していただくようご協力をお願いします。
提出先のメールアドレスは「3.届出書の提出方法(重要)」よりご確認ください。
〇届出区分が変更となる場合
  • 変更前の区分に係る辞退届
  • 新しい区分での届出に係る様式96(外来・在宅ベースアップ評価料(2)・歯科外来・在宅ベースアップ評価料(2))、97(入院ベースアップ評価料)または別紙様式11(訪問看護ベースアップ評価料(2))
〇届出を辞退する場合
  • 辞退届

3.届出書の提出方法(重要)

届出書は、保険医療機関、訪問看護ステーションの所在する県の該当するメールアドレス宛に、2のエクセルファイルを提出することにより行ってください。
メールアドレスを有しない等の場合には、書面による提出も可能ですが、可能な限りメールにて提出していただくようご協力お願いします。
 
富山県(富山事務所) baseup-hyoukaryou16●mhlw.go.jp (エム・エイチ・エル・ダブリュー)
石川県(石川事務所) baseup-hyoukaryou17●mhlw.go.jp (エム・エイチ・エル・ダブリュー)
岐阜県(岐阜事務所) baseup-hyoukaryou21●mhlw.go.jp (エム・エイチ・エル・ダブリュー)
静岡県(静岡事務所) baseup-hyoukaryou22●mhlw.go.jp (エム・エイチ・エル・ダブリュー)
愛知県(指導監査課) baseup-hyoukaryou23●mhlw.go.jp (エム・エイチ・エル・ダブリュー)
三重県(三重事務所) baseup-hyoukaryou24●mhlw.go.jp (エム・エイチ・エル・ダブリュー)

※メールアドレスの「●」は「@」(半角アットマーク)に置き換えてください。

【注意事項】
  • メール本文には必ず、署名等により医療機関名及び連絡先を記載してください。
  • 各県事務所(愛知県にあっては指導監査課)がメールを受信したときは、専用メールアドレスから「メールを受信した」旨の返信をいたしますが、返信にはしばらくお時間をいただく場合がありますのでご承知おき願います。この受信確認は届出の受理のことではありません。
  • 届出期限の最終日付近など医療機関等からのメールが殺到した場合には、エラーメッセージが届きます。なるべく早期の提出をお願いするとともに、エラーメッセージが届いた場合には、お手数ですが、時間をおいてメールの再送をお願いします。
  • このメールアドレスは、ベースアップ評価料の届出様式提出専用です。ベースアップ評価料の届出様式以外のファイルは添付しないでください。また、専用メールアドレスへのご質問やご意見、ベースアップ評価料以外の届出の提出をいただいても、回答・受付はできかねますので予めご了承ください。

4.届出受理後の報告等について

  1. 共通
  • 新たに届け出た後、毎年6月に「賃金改善計画書」、毎年8月に「賃金改善実績報告書」を提出していただく必要があります。(令和6年8月における「賃金改善実績報告書」の提出は不要です。)
  • 事業の継続を図るため、対象職員の賃金水準を引き下げたうえで、賃金改善を行う場合には、保険医療機関等の収支状況、賃金水準の引下げの内容等について記載した「特別事情届出書」を作成し、届け出ることが必要となります。なお、年度を超えて対象職員の賃金を引き下げることとなった場合は、次年度に「賃金改善計画書」を提出する際に、「特別事情届出書」を再度届け出る必要があります。

(病院・診療所向け)特別事情届出書(様式94)(PDF形式:40KB)
(病院・診療所向け)特別事情届出書(様式94)(xlsx形式:32KB)
※訪問看護ステーションについては、別紙様式11内の「(別添3)特別事情届出書」シートを使用してください。
  1. 入院ベースアップ評価料、外来・在宅ベースアップ評価料(2)、歯科外来・在宅ベースアップ評価料(2)、訪問看護ベースアップ評価料(2)
  • 毎年、3、6、9、12月に所定の算定式により新たに算出を行い、区分に変更がある場合、算出を行った月内に届け出る必要があります。届出を行った翌月から変更後の区分に基づく点数を算定することとなります。

5.参考資料

届出に当たっては、下記取扱通知、疑義解釈資料をご確認ください。

6.よくあるご質問

ベースアップ評価料関係のよくあるご質問を掲載しています。
疑義照会等のお問い合わせ前に、お知りになりたい情報がないかご確認ください。
 
Q1 「その他医療に従事する職員(医師及び歯科医師を除く。)」とは、具体的にどのような職員か。

業務実態として、主として医療に従事しているものを指します。
専ら事務作業を行うものは含まれません。
ただし、医師事務作業補助者、歯科業務補助者、看護補助者等が医療を専門とする職員の補助として行う事務作業は上記の事務作業に含まれません。

Q2 医療法人の役員であり役員報酬が支払われている者であって、当該保険医療機関で勤務する別表4(上記1のア~ミに規定する職種をいう。以下同じ。)に示す職員である場合は対象職員に含まれるか。

役員報酬は改善を実施すべき賃金からは除かれるため、対象職員には含まれません。

Q3 派遣職員を対象職員として含めることが可能か。

対象とすることは可能です。
ただし、賃金改善を行う方法等について派遣元と相談した上で、「賃金改善計画書」や「賃金改善実績報告書」について、対象とする派遣労働者を含めて作成してください。

Q4 別表4に示す職員であって、パートタイマー・アルバイトである非常勤職員も対象職員として含まれるか。

職員数については、常勤換算を行うことができます。

Q5 特別手当等の一時金による改善はベア等として基本給等に含めてよいか。

一時金はベア等に含みません。

Q6 対象職員の賃金の改善措置を実施する具体的方法(金額・割合等)について、職員に応じて区分することは可能か。

可能です。各保険医療機関又は訪問看護ステーションの実情に応じて、賃金の改善措置の方法を決定してください。

Q7 ベースアップとは、具体的にどのように賃上げを実施することか。

基本給又は決まって毎月支払われる手当の引き上げをいい、定期昇給は含みません。

Q8 定期昇給とは。

毎年一定の時期を定めて、組織内の昇給制度に従って行われる昇給のことをいいます。

Q9 ベースアップ評価料と政府目標(令和6年度+2.5%、令和7年度+2.0%のベースアップ)の関係如何。

ベースアップ評価料の算定にあたっては、施設基準において、その収入の全額を対象職員のベースアップ等及びそれに伴う賞与、時間外手当、法定福利費(事業者負担分等を含む)等の増加分に用いることが要件とされています。その上で、さらにベースアップ評価料以外の収入や、賃上げ促進税制などの活用により、政府目標の達成を目指すことが望ましいとされています。

Q10 配置医師として当該特別養護老人ホームに入所している患者に対して行った診療については、初診料、再診料等の算定はできないものとされているが、当該診療回数を賃金引上げ計画書作成のための計算シート、外来・在宅ベースアップ評価料(2)における対象期間の1月当たりの平均回数に含めるのか。

初診料、再診料、在宅患者訪問診療料を算定した回数が含まれるため、この場合は含みません。
なお、公費負担医療や労災保険制度等診療報酬点数表に従って医療費が算定される患者についてはこの回数に含めます。

Q11 ベースアップ評価料で得た診療報酬は全て賃上げに用いなければならないか。

施設基準は「当該評価料を算定する場合は、令和6年度及び令和7年度において対象職員の賃金(役員報酬を除く。)の改善(定期昇給によるものを除く。)を実施しなければならない。」、「当該評価料は、対象職員のベア等及びそれに伴う賞与、時間外手当、法定福利費(事業者負担分等を含む)等の増加分に用いること。」とされていますので、別の費用に充てることはできません。
ただし、ベア等を行った保険医療機関において、当該評価料による収入が上記の増加分に用いた額を上回り、追加でベア等を行うことが困難な場合であって、賞与等の手当によって賃金の改善を行った場合又は令和6年度及び令和7年度において翌年度の賃金の改善のために繰り越しを行う場合この限りではありません。この場合には、令和8年12月までに賃金の改善措置を行う必要があります。

Q12 ベースアップ評価料の届出を行うに当たって、対象職員に対する給与の支払い実績が必要か。
○ 外来・在宅ベースアップ評価料(1)、歯科外来・在宅ベースアップ評価料(1)、訪問看護ベースアップ評価料(1)については届出前の最低1月における給与の支払い実績が必要となります。
○ 外来・在宅ベースアップ評価料(2)、歯科外来・在宅ベースアップ評価料(2)、入院ベースアップ評価料、訪問看護ベースアップ評価料(2)については、届出様式における「前年3月~2月」、「前年6月~5月」、
「前年9月~8月」、「前年12 月~11 月」とあるのは、それぞれ「前年12月~2月」、「3月~5月」、「6月~8月」、「9月~11月」と読み替え、当該期間の給与の支払い実績が必要となります。
Q13 (1)と(2)両方届出ができる場合は、(2)だけを届出すればいいのか。

(1)を届け出たうえで(2)を届け出る必要があります。

Q14 (Q13の更問)(1)と(2)両方届出する場合、1つのエクセルで(1)と(2)の両方の届出ができるのか。もしくは、(1)と(2)でエクセルを2つ作成する必要があるのか。

(1)と(2)を1つのエクセルファイルで届出してください。

Q15 医科歯科併設の保険医療機関において、医科分のベースアップ評価料の届出と歯科分のベースアップ評価料とを両方届出する場合、医科分と歯科分で2つのエクセルファイルに届出を分ける必要があるのか。

医科分と歯科分をまとめて1つのエクセルファイルで届出してください。

Q16 エクセルをメール送付で届出するとのことだが、厚生局が受信したことの確認ができるのか。また、受信エラーになった場合はどうなるのか。

メールを受信した場合、専用メールアドレスから「メールを受信した」旨の返信をいたしますが、返信にはしばらくお時間をいただく場合がありますのでご承知おき願います。この受信確認は届出の受理のことではありません。
返信メールが届かない場合は、正しく受信していないので、再度送信してください。
なお、フリーメール等で送信した場合、返信メールが届かないことがあります。

Q17 届出したエクセルに不備があった場合は、厚生局からどのような連絡が来るのか。

不備等がある場合は、厚生局からメール等に記載されている担当者様に電話又はメールで連絡をします。

7.問い合わせ先

お問い合わせ先は、保険医療機関又は保険薬局が所在する県を管轄する事務所(愛知県にあっては指導監査課)になります。

指導監査課・事務所の所在地・連絡先