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更新日:2013年10月2日

せんだん通信 - 中国四国厚生局だより平成25年10月号(平成25年10月2日発行)

【目次】

 

巻頭言:麻薬取締官のもう1つの顔

麻薬取締部長前木秀治

季節の巡りは早いもので、猛暑の夏は去り、夜間の寝苦しさは解消され、朝夕は肌寒ささえ感じられる季節となりました。私事で恐縮ですが、9月初旬に受けた人間ドックの結果では、幸いにも精密検査の必要はなかったものの、予想していたとおりメタボリック症候群予備軍の判定を受け、食生活の改善と適度な運動を指摘されました。生涯一麻薬取締官を目指す私としては、健康維持と体調管理のため、数か月前に始めた週末のサイクリングは欠かさないこととし、日課に適度なウォーキングを取り入れようかと考えています。
さて、中国四国厚生局ホームページや厚生労働省地方厚生局麻薬取締部ホームページをご覧の皆さまは、私たち麻薬取締官の仕事に対し、どのようなイメージをお持ちでしょうか?恐らく大勢の方が、新聞・テレビ等で紹介される内容から、日々司法警察員として薬物犯罪捜査に従事し、時に薬物乱用撲滅啓発活動の一環としてキャンペーンに参加したり、学校や各団体からの要請に応じて講演を行ったり、薬物乱用者に対し再乱用防止対策を行っている等のイメージをお持ちかと思います。確かに、それは麻薬取締官の1つの顔には違いありません。しかし、あまり知られていないと思いますが、麻薬取締官には、もう1つの顔があるのです。それは医療で使用されるモルヒネ等の麻薬が、正規流通ルートから不正ルートへ流れたり、誤った使われ方がなされたりしないように指導監督する行政官としての顔もあります。
医療用麻薬は外科施術の際には麻酔薬として、また、がん治療を受けておられる患者さんには、その痛み緩和のため使用されることがあり、医療の世界では必要不可欠な薬です。
国内に正規流通する麻薬は概ね、麻薬輸入業者に始まり麻薬製造業者、麻薬製剤業者等において医療用麻薬となり、麻薬元卸売業者、麻薬卸売業者を経て、その後病院や診療所で使用され、調剤薬局では処方せんに基づき調剤され、患者さんの手に渡ることになります。
私たち麻薬取締官は、それら正規流通ルートにおけるすべての過程において、行政官として定期的に立入検査を行い、不正ルートへの横流しや不正使用等違法行為を防止するための指導と監督を行っているのです。なお、立入検査の際、違法行為が発覚することもありますが、その際は当然ながら行政官としてではなく、司法警察員として直ちに捜査を開始することになります。
立入検査のほかに、私たちが行政官として行う仕事として、医療用麻薬の個人携帯輸入及び輸出に関する許可申請に対する審査事務があります。麻薬は、厚生労働大臣の許可を受けた「麻薬輸入業者」・「麻薬輸出業者」でなければ、輸入・輸出することができないと法律に定められております。「それでは、がんなどの痛みに対する治療薬として、モルヒネ等の麻薬を処方されている患者さんが外国旅行をする際、旅行先に処方された麻薬を持っていけないのか?」と疑問をお持ちの方もおられるでしょう。そこで、そのような患者さんが安心して外国旅行が楽しめるように「自己の疾病治療のために麻薬を使用されている方が出入国する場合、地方厚生局長の許可を受ければ、その麻薬を携帯して輸入・輸出することができる。」という例外規定が設けられているのです。
私たちは、そのような医療用麻薬の携帯輸出入の手続きに関する事務を行うに当たっては、申請される皆さまの立場にたって、旅程どおり安心して外国旅行を楽しんでいただけるように、事前のご相談にも親身になって対応させていただくとともに迅速に手続きを進めているのです。
私たち麻薬取締官は、これからも司法警察員として、麻薬等規制薬物の不正ルートに対する取締りを徹底して行う一方、行政官として、国内に正規流通する麻薬について、取扱業者に対しては厳正に指導・監督し、病院・診療所や調剤薬局、そして必要とする患者さんの手元には、迅速かつ確実に届けられるように努めて参ります。

中国管内における麻薬携帯輸出・入許可申請者数の年次推移(平成21年から平成25年まで)の表

特集①:平成25年度保健師助産看護師実習指導者講習会(特定分野)を開催しました

指導養成課松元由美

厚生労働省では、平成19年度より、看護師等養成所の実習を受け入れている保健所、助産所、訪問看護ステーション、介護老人保健施設など、病院以外で勤務する保健師・助産師・看護師を対象に実習指導者講習会を実施しております。
中国四国厚生局においても、中国四国地区9県の実習指導に携わる、又は、携わる予定の方を対象に実習指導者講習会を実施してきました。
今年度は、8月26日から29日と9月2日から4日の7日間で実習指導者講習会を実施し、46名に修了証書をお渡しすることができました。

平成25年度保健師助産看護師実習指導者講習会(特定分野)

平成25年度保健師助産師看護師実習指導者講習会の開講式写真 平成25年度保健師助産師看護師実習指導者講習会の修了証授与式写真

開講式

修了証授与


講習生の皆さんは、講習会の前半は講義を中心に、教育の基本や教育・評価方法、実習指導及び指導者の役割、青年期の学生心理について学びました。後半では5~7人のグループで演習を行い、これまで行ってきた実習指導方法を振り返り、どのような関わり方がよかったかを考えると共に、効果的な実習指導を行うための具体的な実習指導計画の作成を行いました。
日頃から実習指導に携わっている皆さんですが、講義では認識を新たにすることも多かったためか、熱心に聴講し、時間を忘れ講師へ質問する姿もありました。演習においても日頃の疑問を解決すべく、活発な意見交換が行われました。講習会での学びを通して、実習目的・目標を理解し、計画的に関わることの必要性や重要性を再認識され「実習指導に活かしたい。」という声が多く聞かれました。
皆さんは、職場に戻り「実習指導者」として活躍されるわけですが、学生だけでなく、ご協力いただく患者さん、利用者の皆さんのためにも、今までよりもさらに有意義な実習になるよう、その方にとってよい看護の提供が行えるように取り組んでいただけることを期待しています。

最近では、在院期間の短縮に伴い、学生が患者さんとじっくり関わることができなかったり、お産や子どもの数自体が減少したことにより、産科や小児科の患者さんとの関わりをもてない学生が多くなりました。学生にとって貴重な学習の場で多くの事を学ばせたいという指導者の思いを実現するには大変難しい環境となっています。また、在宅で療養生活を送られる方のお宅に伺っても、学内で学んだ知識や技術だけでは十分な援助ができず、見せていただくだけの場合もあります。
学生は実習で様々な体験をする中で、医療や介護を受ける方々の不安や苦痛だけでなく、喜びや人間のもつ回復力のすばらしさを知ることにより、学内で習得した知識、技術をもとに看護の実践力を身につけていきます。専任教員だけでなく、実習指導者や看護スタッフの方々と協力することにより、患者さんや利用者さんの気持ちや状況に寄り添い、温かい気持ちを持った保健師、助産師、看護師となるよう学生の実習を支援していきたいと考えています。

中国四国厚生局では、今後とも、このような講習会の開催や看護師等養成所等の指導業務を通じて、皆さまの健康で安心できる生活を支えるために、必要な保健・医療等のサービスを提供する良質な人材の確保が図られるよう努めていきたいと思います。

特集②:リスクコミュニケーション「夏休み食品工場見学ツアー~宇宙食を作る衛生技術を学ぼう!~」

食品衛生課有江美咲

1.はじめに
「食品工場見学」という言葉が、今般よく聞かれるようになりました。テレビ番組の特集やレジャー雑誌等で取り上げられ、参加してみたいとお考えの方、もしくは既に参加経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。日常生活において、原材料から製品が製造されるまでの実際の流れを目にする機会は少なく、機械設備や従業員の方々の努力に驚きを感じられたこともあるかと思います。
中国四国厚生局食品衛生課では、食品の製造又は加工に係る総合衛生管理製造過程の承認等を主な業務とし、施設の方と共に、安全安心な食品の提供とそのための管理システム「HACCP」(ハサップ)の実践状況を監視する業務を行っております。この「HACCP」はそもそも宇宙食を作るために開発された食品衛生管理の方法であり、近年では国際的な導入が進められています。

2.概要
厚生労働省中国四国厚生局と広島県との共催により、食品衛生管理手法「HACCP」や食品工場における食品製造過程、衛生管理方法等に対する理解を深め、地域の皆さまと共に食の安全に対し相互理解を深めていくために、食品の安全に関する意見交換会「夏休み食品工場見学ツアー~宇宙食を作る衛生技術を学ぼう!~」を開催しました。

【日程等】
・日時:平成25年8月8日(木曜日)
・見学先:芸南食品株式会社(広島県竹原市竹原町1678番地の13)
・中国四国厚生局・芸南食品株式会社・広島県からのお話
・工場見学

詳細につきましては、「食品の安全確保に関するリスクコミュニケーションについて」をご覧ください。

3.参加者について

今回、15組30名の募集に対し、定員を大幅に上回る45組90名の方から応募を頂きました。厳正なる抽選の結果、15組29名の方に参加していただくこととなりました。たくさんの方から応募を頂き、職員一同大変嬉しく感じておりますと共に、今回残念ながらご参加いただけなかった方にも、この特集を通じて雰囲気だけでも感じていただければと思っております。

参加者の内訳表 会場となった芸南食品株式会社の写真
 

会場となった芸南食品株式会社


4.中国四国厚生局・芸南食品株式会社・広島県からのお話について
初めに、中国四国厚生局から参加者の皆さまに対して、宇宙食を作るために開発された食品衛生管理手法「HACCP」についてのお話をさせていただきました。「HACCP」という言葉を聞いたことのない方が大半ではありましたが、一生懸命耳を傾けてくださいました。
次に、芸南食品株式会社からレトルト食品についてのお話をしていただきました。独特の包装構造や添加物が未使用であることなど、レトルト食品に対する見方が変わった方も多くいらっしゃったのではないでしょうか。
最後に、広島県から手洗いについてのお話をしていただきました。食中毒についても併せてお話があったことで、手洗いの大切さがご理解いただけたのではないかと思います。

説明写真① 説明写真②


5.工場内見学について
白衣とクリーンキャップを身につけ、施設内の見学を行いました。エアーシャワー体験や手を洗わないと扉の開かないトイレなど、工場ならではの体験をしていただきました。

工場見学写真 工場見学での感想(アンケートより)の表


6.質問コーナー及び試食会について

質問コーナーでは、消費期限の設定等のご質問を頂きました。試食会は終始和やかな雰囲気で行われ、参加者の方が芸南食品株式会社職員の方々と製品や工場内の様子、製造方法等について談笑される様子が印象的でした。

7.まとめ
アンケート結果では、それぞれの説明について「理解できた」、「おおむね理解できた」、また参加したいですかという問いについて「参加したい」、「都合が合えば参加したい」とのご意見を多く頂き、十分な手応えを感じることが出来ました。また、プログラムの内容や参加してみたいテーマ等に対するご意見も多く頂きました。
中国四国厚生局では、今後もリスクコミュニケーションを積極的に行い、地域の皆さまと継続的に交流を深めていきたいと考えております。そして、この度、皆さまから頂きましたお声を元に、より充実した内容を目指していきたいと思います。

まとめ(興味のあるテーマは?)表 参加された皆さん(29名)の写真
 

参加された皆さん(29名)


最後になりましたが、この場をお借りしまして、今回のリスクコミュニケーションの開催にあたり多大なるご協力を頂きました芸南食品株式会社及び広島県健康福祉局の皆さまに御礼を申し上げます。

特集③:麻薬・覚醒剤乱用防止運動の実施について

麻薬取締部坂井大樹

1.目的
麻薬、覚醒剤、大麻、違法ドラッグ等の薬物乱用は、乱用者個人の健康上の問題にとどまらず、各種の犯罪の誘因など社会の福祉に計り知れない危害をもたらします。
麻薬・覚醒剤乱用防止運動は、麻薬・覚醒剤等の薬物乱用による危害を広く国民に周知させ、国民一人一人の認識を高めることにより、麻薬・覚醒剤等の薬物乱用の根絶を図ることを目的としています。

2.実施期間
平成25年10月1日から同年11月30日までの間

3.主な実施内容
麻薬等の薬物乱用による危険性について、ポスター、パンフレット(以下の「薬物乱用」等のパンフレット)等を作成し、全国的に広報活動を行います。
以下の「薬物乱用」等のパンフレットについては、「薬物の乱用は、あなたとあなたの周りの社会をダメにします!(一般啓発用)」をご覧ください。

また、薬物乱用防止について、功績のあった方々に対し、表彰を行います。

薬物乱用パンフレット 薬物乱用とは?パンフレット


4.麻薬・覚醒剤乱用防止運動高知大会について
中国・四国地方では、11月27日(水)に、高知県高知市で、厚生労働省と高知県が主催する「麻薬・覚醒剤乱用防止運動高知大会」を開催します。
この大会は入場無料となっておりますので、ぜひお越しください。
1)日時
平成25年11月27日(水)14時00分~16時30分

2)実施場所
高知県立県民文化ホール(高知県高知市本町4丁目3-30)

3)主な内容(予定)
(1)講演
①厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課
「麻薬・覚醒剤乱用防止運動の取組状況についての説明」
②水谷修氏
「さらば、哀しみのドラッグ~私たちに出来ること、しなければならないこと~」

○水谷修氏の活動内容
高校教員として長い勤務経験があり、若者たちから「夜回り先生」と呼ばれ、深夜の繁華街のパトロールを通じて、多くの若者たちとふれあい、彼らの非行防止と更正に取り組んでおられます。一方で、全国各地からのメールや電話による子供たちからの様々な相談に答え、薬物乱用、不登校、心の病、自殺などの問題に積極的に関わり、現場での経験をもとに、日本各地での講演を通じて子供たちが直面している様々な問題について訴えておられます。

(2)功労者表彰
薬物乱用防止に係る啓発活動に関し、長年にわたり、積極的に活動している方々に対し厚生労働大臣感謝状等の贈呈

あとがき

錦帯橋の写真先日、20数年ぶりに日本三名橋である「錦帯橋」、天然記念物の指定されている「シロヘビ」、山城である「岩国城」を見に山口県岩国市へ家族で行って来ました。初めて、「岩国城」にロープウェイで行きましたが、ロープウェイから望む岩国市街の町並みや、錦川そして錦帯橋や、瀬戸内海の景色などは、なかなかの眺めでした。岩国市へ行かれた時には、是非、ロープウェイで岩国城へ行っていただきたいと思います。(H.O)


山口県岩国市錦帯橋

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